健晃堂

広い視野と柔軟な思考

毎日を都会の雑踏の中で過ごしていると、人は近視眼的になる傾向があります。

いつも自分のすぐ目の前の事しか見ていないので、視野が狭くなり、広い範囲にまで考えが及ばなくなる。

近視眼的と聞くと良いイメージが無いかも知れませんが、悪いことばかりではありません。

日常の具体的な事柄に対応するためには、視野を広げ過ぎると逆に何も出来なくなってしまいます。

次々と様々な角度から情報が飛び込んで来る都会で暮らすには、近視眼的になるのは好都合ともいえるでしょう。

しかし、常に視野が狭いままでは、人の思考はすぐにフリーズしてしまいます。

頭が回らなくなり、何をするにも迷いが付きまとう、といった経験は多々あるのでは?

そんな状態になるのを防ぐためには時々、高いビルなどに上がってみるのが効果的。

「近視眼的」「視野が狭い」という言葉通り、思考や行動が偏ってしまう時の人は、目の焦点が近くにばかり当たるようになっています。

これは人間にとって、本来の自然な姿ではありません。

人の目はニュートラルな状態では、遠くに視野が合うような構造になっています。

近くに焦点を合わせる時だけ、毛様体筋という目の筋肉に力が入り視野を調節しています。

都会暮らしでは、どうしても近くをみることが多くなるため毛様体筋に力が入ったままになってしまいます。

「目は脳の出先機関」と言われるように、目に力が入ったままの状態が続くと、脳も特定の部位しか働かなくなるもの。

だから、考え方も偏ったものになり、広い範囲にまで気が回らなくなります。

なので、近くに障害物の無い高い場所に上り、遠くの景色を眺め、目の筋肉の緊張を和らげてあげることが大切。

自然と目の緊張が緩むと、脳の働きにも変化が起こり、様々な思考回路が働き始めます。

すると、色々な思いが浮かび上がって来るもの。

迷っていたことや悩んでいた問題が、実はとても小さなことだったと気が付くかも知れません。

今の自分を客観視することも出来るようになるでしょう。

とにかく、自分の心に何らかの変化が感じられるはずです。

不安や迷いでいっぱいになってしまった。

煮詰まったような気分になり、目の前のこと以外は何も考えることが出来ない。

そんな時に広い視野と柔軟な思考を取り戻すためには、まずは目の緊張をほぐすこと。

目は心と体の繋がりを、最も感じやすい器官です。

時々、高い場所に立って遠くを眺めてみてはいかがでしょう。

きっと、今まで気が付かなかった新しい自分が見えて来ると思います。

16-09-14

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です