健晃堂

平常心を保つには

平常心を保つ。

スポーツやビジネス、試験や面接に挑む時など、様々な場面で聞く言葉です。

では、平常心とはそもそも何なのでしょう?

宮本武蔵は平常心とは、合戦を前に自分が手柄を立てようとしない気持ち、という意味の言葉を記しています。

他人より先に手柄を立て、注目を浴びる存在になりたい、などと思っては平常心が保てなくなり戦に敗れてしまうと言っているのでしょう。

平常心の本質は、「お先にどうぞ」という言葉。

ビジネスの場面では、手柄や出世は無理に競わず人に譲る。

日本人は基本的にみな平等に教育を受けているので、一人一人の能力の差が小さいとされています。

その分、誰かの成功に対する嫉妬心は強くなりがち。

嫉妬心は、苛立ちにつながり、エネルギーの無駄な消費を招きます。

そして、いざという時に力を発揮することが出来ず、大きな成功は手に出来ない。

このような構造になっています。

ならばと、何でもかんでも「お先にどうぞ」とばかりに人に譲っていれば良いというわけではありません。

それでは、会社員なら定年まで平社員のまま。

事業を起こしても、あっという間に食い物にされ、潰される結果になるだけでしょう。

平常心とは、ここ一番のチャンスに賭けて、エネルギーを蓄えながら待つことです。

待っている間は心にゆとりが必要です。

心のゆとりを保つためには、無駄なエネルギーを消費する嫉妬心は抱かない。

そのために大切なのが、「お先にどうぞ」の気持ち。

この気持ちは、常日頃から、あらゆる場面で鍛錬することが出来ます。

例えば、急いでいる時に、街中の人混みを抜け出そうと我先にと動いたとしても。

赤信号で足止めされ、ゆっくりと歩いている人達に結局は追いつかれる。

車の運転中、渋滞に巻き込まれた時。

流れに乗ろうと車線変更をすればするほど、いつの間にか後から来た車に抜かれてしまう。

急いだ分だけ無駄なエネルギーを消費し、余分に疲れるだけ。

この無駄なエネルギーの消費を省くために、我先にと先を急がないこと。

何事にも「お先にどうぞ」の気持ちを持ち続けることが、平常心を保つコツ。

廻って来たここぞという機会に、集中してエネルギーを放出できるために。

日頃から平常心を保つ訓練をしておきたいですね。

16.04.25

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