健晃堂

褒賞の精神

人を褒めるというのは円滑な人間関係を築けるだけでなく、ビジネスにも直結します。

私は治療師になり整骨院を開業してしばらくは、患者さんの悪い所ばかりを探していました。

身体の問題があるところを誰よりも早く正確に発見し、解決策を提示する。

それが優れた治療師であると信じていました。

ところが、何故か、なかなか患者さんは私のところに定着してくれません。

その頃の私は、自分の勉強が足りないからだとしか考えることが出来ません。

毎日、専門書や文献を読み漁り、勉強会や学会には時間の許す限り参加し、得た知識を患者さんに提供する。

しかし、いつまで経っても現状は変わらない。

むしろ、整骨院の経営状態は悪くなる一方。

そんな状況は、あるワークショップに参加した事で打開されることになります。

トーマス・W・マイヤース氏のアナトミートレインのセミナー。

トーマス先生はワークショップ中、受講生に対して、クライアントに接する時には最初に必ず3つ相手の良い所を探すことから始めなさいと強調されていました。

参加者同士で良い所を見つけるワークをやってみると、これが心地良い。

この時に私はやっと気付きました。

いくら勉強し知識を積み上げたところで、人の問題点ばかりを探していては、患者さんは決して良い気分にはならない。

反対に問題点を探す前に、良い所を見つけて褒めると、気分良く話を聞いてもらえる。

それに気付いてからは、経営状態の悪化も止まり、患者さんの数も一時的に大きく回復したのには驚きました。

自分自身が人からビジネスなどの勧誘を受ける時でも、自分の現状を否定されれば嫌な気分にしかなりません。

「あなたには今、こんな問題がある」

「今のままで、本当に大丈夫ですか?」

などと言われても、ただ反発したくなるだけ。

また、セミナーの勧誘を受けていつも感じることがあります。

「人生で成功するためには人間的魅力を上げることが大切」

「やり方を学ぶより、人としての在り方が重要」

などと力説されると、勧誘を受ける方からしてみれば、

「あなたには人間的魅力が無い」

「あなたの人としての在り方は間違っている」

と言われているのと同じ。

決して楽しい気分にはなれません。

私も整骨院に営業に来られた方から、高額な機器を購入したことがあります。

思い返して見れば、そのような時は必ず、徹底的に褒められていたような気がします。

相手の生来持っている容姿や性格、特徴を褒めてあげること。

それは、相手だけでなく自分自身の豊かさにもつながります。

忘れないように、意識しておきたいですね。

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