健晃堂

頑張れば頑張るほど貧しくなる人

営業力に関する書籍やセミナーは、昔から巷に溢れ返っています。

多くの人が学び、行動し、望み通りの豊かさを手に入れています。

一方で、頑張れば頑張るほど、豊かさから遠ざかっていく人も少なくありません。

人柄も良く人気者で、いつも輝いているにもかかわらず、年を重ねるごとに貧しくなっていく人。

そんな人の特徴は、

“いつも新しい出会いを求めている”

新しい出会いを求めるのは、決して悪い事ではありません。

ビジネスでは、新規顧客の獲得は常に欠かせないもの。

日常生活においても、新しい人との出会いが無ければ、自分の知る世界が広がらず、退屈な日々になってしまうでしょう。

ただし、

今、身近に居る人たちに目を向けずに新しい出会いばかり求めていたら、どうなるでしょう?

今、あなたの周りに居る人たちは、少なからずともあなたに対して好意を持ってくれている人たちです。

あなたと話したい。

あなたと一緒に何か活動したい。

あなたのために役立ちたい。

誰にでも、そう思ってくれている人が身近に居るものです。

例を挙げるなら、飲食店の常連さん。

もし、あなたがどこかのお店のファンで、毎日のように通っているとします。

このお店を、友人や家族にも紹介したい、と思っていたとしましょう。

ところが、あなたが常連になるにつれて、お店の人はあなたに関心を向けなくなります。

時には、店内に居るあなたを放っておいて、外で新規客の呼び込みをしています。

こんな場面を想像してみて下さい。

いや、想像しなくても実際に経験があるのでは?

どんな気分でしたか?

初めてこのお店に来た時、お店の人はとても感じの良い人でした。

今でも、人柄の良さはそのままで、悪い印象はありません。

でも、

何か嫌な感じがしませんか?

常連客の自分が軽く扱われるようになり、来るか来ないのかもわからない新規客の獲得のため、必死になっている姿を見せられたら。

「今度、友人や家族を連れて来よう」

と、思っていても。

「やっぱりやめておこう、それに、自分ももうここには来ない」

こうなってしまうでしょう。

二度とその店には近付かないはずです。

あなたは、そのお店が好きで、お店の役に立ちたいと思っている。

にもかかわらず、お店の人はあなたに関心を向けず、まだ来たことが無い人のことばかり考えている。

そう、

これが、敵を作るよりもさらに悪いパターンです。

もし、お店の人がいつもあなたを温かく迎えてくれ、大切に扱ってくれていたら。

あなたが楽しそうにお店に通うのを見て、あなたの身近な人も自然と常連になるかも知れません。

新たに常連になったあなたの知り合いにも、友人や家族が居ます。

また新しいお客さんがお店に来るようになり、自然と常連客は増えて来るでしょう。

逆に、新規客ばかり追い求めていると。

今居る常連客まで、居なくなってしまいます。

そして、常連さんは永久に戻って来ません。

それどころか、他の常連客まで一緒に他のお店に連れて行ってしまいます。

もし、あなたが、身近な人や今居るお客さんに対してこのような思いをさせているとしたら。

いくら、自分磨きをして魅力を上げたとしても。

どれだけ、コミュニケーションスキルを学んだとしても。

最高の師匠から、伝説の営業テクニックを伝授してもらったとしても。

全て無駄です。

何の意味もありません。

むしろ、それらに時間とエネルギーを費やし続けることによって、あなたはますます貧しくなるだけでしょう。

何事も上手くいく人は、学びを身近な人たちに対して活用します。

大切な人たちを喜ばせることに使おうとします。

営業職に就いたり、自分でビジネスを始めたら。

最初は新規開拓が必要です。

一人でもお客さんが付いたら、次はとにかく“顧客の維持”を考えることが大切。

お客さんになってくれる人は、あなたを信用してくれる人です。

その信用を裏切るような行為は、敵を作る以上に避けなければならないこと。

敵を作ってしまったとしても、あなたのお客さんや仲間になったことも無く、ただ批判しているだけの人の影響力は知れたものです。

陰で悪い評判を立てられても、誰もがそれを信用する訳ではありません。

しかし、一度でもあなたを信用してお客さんや仲間になった経験がある人の言葉には、魂が宿ります。

このような人からマイナスの評判を立てられると、その影響力は計り知れません。

あなたが魅力を磨けば磨くほど、その魅力は怪しさを放つようになるだけです。

とっても魅力的で良い人なのに、なぜか豊かになれない人は、自分の本当の仲間やお客さんを大切にしないで、新しい出会いばかり求めている人。

最も大切にすべき存在を蔑ろにするから、頑張れば頑張るほど貧しくなっていく。

本当の営業力を身に付けるために。

誰が大切にすべき存在か、時々思い返す習慣を持ってみませんか?

参考にしていただけると幸いです。

15.10.30

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