健晃堂

その言葉、使い方間違ってませんか?

・過去と他人は変えられない。
・自分と未来は変えられる。

自己啓発や成功法則の書籍を読んだりセミナーに参加すれば、必ずと言って良いほど出会う言葉です。

真理をついた正しい言葉で、心身ともに健康で豊かな人生を送る為にも、とても大切なメッセージだと思います。

しかし、私は最近この言葉に対して良い印象がありません。

SNS上でもリアルな人間関係でも、どうも間違った使われ方をしている事が多いような気がしています。

私の考えを述べると、これは自分自身に対して発するからこそ価値がある言葉であり、人に向けて言ってはいけない言葉だと思っています。

他人に向けて言って良いのは、

・親が子供に対して
・先生が生徒に対して
・成功者が自分を慕って来る人に成功者のあり方を教える時

などの人間関係において、頼る側と頼られる側がはっきりしている時に限られると感じています。

なぜそのように思うかといえば、自営業者や会社の社長、その他組織に依存すること無く生きている人などは誰でも、この言葉の意味を教えてもらうまでもなく“骨の髄まで浸み渡るように実感させられている”からです。

私も整骨院を開業してから、上手くいかない事だらけでした。

例を挙げると、

・スタッフが思い通りの仕事をしてくれない。(教えたのは自分)
・患者さんがいう事を聞いてくれない。(自分の説明が下手)
・場所が目立たなくて流行らない。(その場所を選んだのは自分)
・儲からない(自分の経営下手)
・自営業はサラリーマンと比べて大変過ぎる。(開業したのは100%自分の意志)

上手くいかない原因を他人のせいにしたくても、どうすれば他人に原因を押し付けられるのか分からない・・・

結局は自分が成長し変わる以外に、上手くいく方法は無い。

嫌でも絶対に気付きます!!

それに、小さな事業でも自分がトップである以上、結果の全ては自分自身の行動に掛かっています。

「過去は変えられない」など人から教えられなくても、そもそもほとんどの起業家には過去にこだわっている余裕なんてありません!!

私自身はとてもネガティブな性格で、本来は過去の失敗をいつまでも気にするタイプですが、それでも整骨院を経営している時に過去を気にしているような余裕は無かったような気がします。

どんな職業であろうと自分が独立起業すれば、誰でも嫌でも必ず気付かされるのです!!

その為に多くの起業家達は、自分自身を変化させよう・もっと成長したいと思い、セミナーや成功者の講演会などに脚を運びます。

そういった場で色んな人と知り合い新しい人間関係が出来る。

新しく知り合った人と話しているうちに、自分の仕事などに対して抱えている問題や悩みなどを話すようになる。

そして長くセミナーを受講している人からこう言われます。

「過去と他人は変えられない・自分と未来は変えられる。この言葉知っていますか?」

まるで「あなたの人生が上手くいかないのは、あなたが原因を他人や周りの環境のせいにしているからです。」とでも言いたいかのように!

言われた方は口には出さなくても「冗談じゃない!自分が上手くいかない原因を知って自分を変える為にここに来たんじゃないか!!」と感じるでしょう。

起業家でなくても同じようなケースは多々あります。

例を挙げると、上司との関係が上手くいかないと悩んでいる会社員の人が居るとしましょう。

その人は、自分がその上司の気持ちが理解出来ないのが原因で、関係が上手くいかないと考えています。

人の気持ちが理解できるようになりたいと考え、コミュニケーションのセミナーに参加しました。

後日そこで知り合った人と「私の上司はこんな人で・・・、どう対応すれば関係が上手くいくんでしょう?」のような相談をしたとします。

そこで「人を変えようとせずに、自分に原因を探すと上手くいくよ。」などとアドバイスされたら・・・

「ありがとうございます。」と感謝しながらも、本心では「わかってるよ!」とイラッとするのではないでしょうか?

“上手くいかない原因を他人のせいにしている”ことと、良い人間関係を築くため“他人を観察・分析”していることは違うんです!!

ここで、はっきりと書かせていただきます。

セミナー講師などの先生と呼ばれる職業の人以外で、本当に自己実現のために行動を起こしている人や、社会的にも人間的にも成功している人は、「過去と他人は変えられない・自分と未来は変えられる」こんな言葉を軽々しく口には出しません。

常に自分自身に向けて心の中で呟いています。

確かに、上手くいかないことがあると何でも他人のせいにする人にはよく出会います。

成功者の行動を見ていると、例えそんな人に出会った時でも、まずは相手の気持ちに共感しようと接しているように見えます。

そこで相手が自分を信頼し心を開いてくれた時に、はじめてこの言葉を使います。

もし相手が心を開いてくれなかった時には、「あの人が心を開いてくれなかったのは自分が悪い。」そう考えているのでしょう。

こういった態度こそが、この言葉の本当の使い方ではないでしょうか!

・過去と他人は変えられない。
・自分と未来は変えられる。

軽々しく人に向けて使うと、相手を攻撃することになる言葉です。

使い方を間違わないように、常に自分自身に向けるよう意識してみてはいかがでしょうか。

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