健晃堂

一をもって万を知る

今、自分が何をすべきかわからなくなってしまった。

ふと、立ち位置がわからなくなってしまった。

急にこのような不安に襲われた経験、一度や二度はあるのでは?

こんな時には、周囲の状況や現在の人間関係を、冷静に見つめ直すことが大切です。

とは言え、これが簡単なようで、なかなか難しいもの。

組織の中で活動している人なら、冷静に自分の立ち位置を見直しているつもりでも、つい他人に対してはエゴが入ってしまいます。

地位や役割などで自分を脅かす人の力を、つい過小評価してしまう。

部下や後輩の実力を、感情的に自分だけの偏った視点で見てしまう。

個人起業家でも同じ。

ライバルの行動をつい見下してしまうなど、客観的に見ることは、なかなか出来ないもの。

冷静な状況把握が出来ないままでいると、いつまで経っても、自分の立ち位置がわからないまま。

フワフワとした日々が続き、いつまでも不安が付きまといます。

客観的に状況を見つめ直すためには、

自分はこの世から居なくなったものと仮定するのがコツ。

もう、自分はこの世に居ないのだから、誰が何をしようが、どんなこと起ころうが、自分には何の関係も無い。

全ては他人事。

そう思って、今の周囲の環境を見つめてみてはいかがでしょうか?

あの世から、この世の発展と人々の幸せを、心から祈るような気持ちで、様々な人を見てみる。

すると、見下していた人が、頼もしい存在に見え始めます。

ライバルの隠れた能力にも、気が付くかも知れません。

逆もあります。

頼りにしていた人が、意外に当てにならない存在だった。

気が付かなかった人間関係のほころびなど、様々な面が見えて来るでしょう。

そのようにして客観的に状況を見つめ直していると、自分の立ち位置も自然と見えて来ます。

ライバルの方が優れているとわかったなら。

その役目は競わず、ライバルに任せておけば良いだけ。

自分があまり存在感を発揮できないような環境で、身を粉にしながら働く必要も無いでしょう。

「一をもって万を知ることが兵法の極意」

宮本武蔵が著書の中に残した言葉の一つです。

戦に勝つためには、小さなことから全体を見渡せるようにならなければならない、という教えなのでしょう。

常に客観的な視点を持たなければ、戦況全体を見渡すことは出来ません。

自分だけの考えに囚われてしまうと、すぐに立ち位置を見失い、戦場においてはすぐに死につながります。

戦など無い現代社会を生きる上でも、この極意の大切さは同じ。

何をすべきかわからなくなってしまえば。

迷っているうちに、どんどん自分の居場所が無くなってしまいます。

もし、そんな不安な気持ちに襲われた時に。

ぜひ参考にしてみて下さい。

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