健晃堂

心の怪我への応急処置

“笑顔” “呼吸” “水を飲む”

強い怒りや不安を感じた時の応急処置がこの三つ。

笑顔をつくる時のポイントは、心から笑おうとしないこと。

どうしようもない強い怒りを感じてしまった時、感情をコントロールしようとすれば、さらに心に負荷が掛かり傷口を悪化させてしまいます。

コントロールするのは顔の表情を作る筋肉。

自分の指で口角を持ち上げたり、指をくわえることで強制的に笑顔をつくることがコツ。

人の心と体は密接につながっています。

特に心の内側が現れやすいのが、顔を動かす表情筋。

この筋肉を強制的に動かし笑顔をつくることで、感情もそれに伴って付いて来ます。

無理矢理にでも笑顔を作ってしまえば、怒りや不安の感情は強制的に抑え付けられてしまうため、心の傷口の悪化を防ぐことが出来るのです。

次に、呼吸と水を飲むことの目的は、自律神経の中でもリラックスの方向へ向かう副交感神経の働きを高めること。

人の自律神経の働きは、常に揺らいでいるものです。

息を吸う時には交感神経が優位に、吐く時には副交感神経が優位に働きます。

落ち着きを取り戻すためには、副交感神経が優位になる、息を吐く時間を長くするのがポイント。

ただし、呼吸に関してはあまり考え過ぎない方が、自然と息を深く吐き出すようになると思われます。

そして、水を飲むのは胃腸に刺激を与えるため。

胃腸などの消化器系の働きは、副交感神経が支配しています。

水で胃腸が刺激されると、心が落ち着く副交感神経の働きが高まることで、怒りや不安の感情から身を守るためのスイッチが入ります。

前回もお伝えさせていただきましたが、本当に重要な点なので繰り返しお話しさせていただきます。

心に怪我を負ってしまった時には、間違っても「自分と未来は変えられる」などの類の言葉を使わないこと。

心身ともに充実して調子が良い時には、とても心地良く響いていた自己啓発的な言葉が、強いストレスを感じる場面では、逆に自分を苦しめる。

そんな経験がある人は、少なくはないでしょう。

刃物は包丁や工具として使えば有益な道具になりますが、武器として使えば人を傷つける凶器にもなる物。

「ストレスは自分の内側にある」

「過去と他人は変えられない、自分と未来は変えられる」

このような思考をコントロールするための言葉も、使う場面を間違えると、深く人の心と体を傷つる凶器となってしまうのです。

心を負傷してしまったと感じた時には、傷口が広がる前に、

“笑顔” “呼吸” “水を飲む”

この三つで対処することをおすすめします。

参考にしていただけると幸いです。

16.02.06

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