健晃堂

情報は頭では無く体で処理するもの

私たちは、無意識のうちにインターネットからもたらされる情報に依存しています。

SNSなどに関わっていない人でも、周囲の人からもたらされる情報によって、やはりネットからの影響は受けるものです。

今回、電話もネットも繋がらない環境で、人との接触も一切絶って感じたことの一つが、

“五感が研ぎ澄まされること”

感覚が冴えるというよりは、人が本来持っている何かを感じる力を取り戻すと表現した方が良いかも知れません。

具体的には、虫の声がはっきりと聞き取れ、季節の変化を感じることが出来る。

天候の変化が、あらかじめ読める。

食事がとても美味しい。

自然の微妙な変化がわかる。

風の吹いている方向などが、肌感覚でわかる。

また、一日一日、季節が変化し続けていると、全身で感じることが出来る。

など、都市部での生活では、あまり得られない感覚を得ることが出来ました。

五感が研ぎ澄まされると、様々な気付きがあります。

人の神経の構造は、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など、目や耳、皮膚、舌、鼻などで感じた刺激を大脳に伝えています。

それと同時に、脳幹網様体と呼ばれる部位を活性化する働きがあります。

この脳幹網様体は、人の意識レベルを調節している場所。

つまり、目で見た情報を脳に伝えたところで、それらは単なる信号でしかありません。

大脳も、何かが見えているということがわかるだけです。

目や耳などの感覚器から大脳に信号が伝えられるのと同時に、脳幹網様体が活性化することで、見たり聞こえたりした情報が、自分にとってどういう意味を持つのか?

それらの情報を基に、どのように行動すべきか、といった具体的な意思決定を下すことが出来るのです。

インターネットから得られる情報は、確かに便利で、人々の暮らしを飛躍的に改善しました。

それと同時に、人が本来持っている自然の情報収集能力を退化させつつあるようです。

人が生きていくために必要な情報は、誰でもネットを通じて手に入れることが出来る時代なのに、なぜか多くの人は路頭に迷ってしまっているのが、今の世の中の現実。

これは、情報収集能力に長けていても、それらをどう解釈し、どのように使うかの判断能力の低下によるもの。

食事中でもスマホを触りながらで、食べ物の味に集中しようとしない。

街中を歩いていても、自然の変化に意識を向けることなく、メールやLINEにばかり気を取られてしまっている。

このような生活習慣の積み重ねが、いかに人が本来持っている判断能力を奪うのか。

私自身も、よく迷走状態に陥ります。

しかし、全く外部からの情報を遮断すると、今までに得た情報を基に、これからどのように行動すべきが、不思議なほどはっきりとして来るのを感じました。

日常生活の中で、携帯もネットも繋がらない環境で、人との接触を一切絶つのは現実的には不可能でしょう。

ならば、一定の時間だけでも、季節の変化に意識を向けてみる。

食事中は、一切の情報をシャットアウトし、食べることに集中してみる。

空の変化や、風の感覚に、虫の鳴き声などの感覚を研ぎ澄ませてみる。

このような習慣を付けることで、迷走状態に陥ることは防げるでしょう。

五感が研ぎ澄まされて、意識レベルが変わって来ると、本当に心も体も心地良く感じられるものです。

また、思いもしないような、自分自身の潜在能力も引き出されて来ます。

一週間のお籠り生活の後、急に大勢の人前に引き出された時に、とても不思議な経験をすることになりました。

人が本来持っている能力は、日常生活ではほとんど使いこなせていない。

強く、そのように感じる経験をして来ました。

どのような力が引き出されて来たのか?

次回以降、お話しさせていただきたいと思います。

15.08.20

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