冬季うつを防ぐために今までお話させていただいたポイントをまとめてみました。
・プラスの言葉使う。
・朝陽を浴びる。
・生活リズムを見直す。
・食生活に気を付ける。
・運動習慣を持つ
最後の運動習慣を持つことが冬季うつの予防につながるメカニズムについて、簡単に少しお話させていただきます。
体を動かすことによって、自律神経の働きのバランスが高いレベルで整うようになる。
日頃使っていない筋肉を使うことで、全身の血液循環が良くなり、エネルギー不足にならない。
大脳が活性化され精神状態にも良い影響を与える、など運動がうつの予防につながるといった説は多々あります。
きちんと証明されている話は少ないものの、現実に体をよく動かしていると精神的にも健康な状態が続くことは多くの人が実感しているでしょう。
最近では、トレーニングによって鍛えられた筋肉には、うつ病などの精神疾患の原因物質を「解毒」する機能があるとする研究結果が、スウェーデン・カロリンスカ研究所から発表されました。
肉や魚、豆製品にはトリプトファンというアミノ酸が含まれます。
トリプトファンは人にとって大切な物質なのですが、一部は体内で代謝される過程でキヌレニンというアミノ酸へ変化してしまいます。
このキヌレニンがうつ病の人では体内量が著しく増加することから、様々な精神疾患に関与しているものと考えられていいます。
今回の研究では、運動で筋肉を動かすとキヌレニンを分解する酵素、キヌレニンアミノトランスフェラーゼ(KAT)が増える結果が得られ、発表されました。
運動して筋肉を動かすことがうつの予防になるのは、キヌレニンが脳へ到達する前にKATに解毒されてしまうからではないか?
と言われているんですね。
面倒な横文字の物質名がいくつか出てきましたが、簡単に言えばこういうことです。
運動によって筋肉が刺激されると、鬱の原因物質が “解毒”される。
健全な精神は健全な肉体に宿る。
これが精神論でなく科学的な根拠が見つかったということですね。
秋は体を動かすのに最も適した時期です。
体の中にうつを解毒する物質が増える様子をイメージしながら、簡単な運動習慣を持ってみてはいかがでしょう?