パソコン仕事や長時間の事務作業で肩が凝る。
解消法として、緊張した肩の周りの筋肉を緩めるためのストレッチ。
目の疲れの解消法。
姿勢の改善。
呼吸法。
色々あり、これらは肩こり解消のために全て重要です。
全て実行してが、あまり効果を感じられない。
良くなった気がするが、すぐに元に戻ってしまう。
ならば、これを試してみて下さい。
“手の親指の筋肉のストレッチ”
昨日の話の続きになります。
親指の付け根の母指球筋の緊張を和らげることは、デスクワークで肩が凝る人にとっては特に大切。
母指球筋は、母指内転筋・母指対立筋・短母指外転筋・短母指屈筋という4つの筋肉で構成されています。
名前を見て何となくイメージ出来るでしょうか?
親指を握りこむ動作をする時に働く筋肉ですね。
この母指球筋と肩こりの関係を知るために、次の動作をやってみて下さい。
椅子に座り、両手の親指を中に入れた状態で、しっかりと握り拳を作る。
いかがしょうか?
これだけで首から肩のコリ感がひどくなるのを実感していただけると思います。
理由は二つあります。
母指球筋は前腕の筋肉から上腕の力こぶを作る上腕二頭筋、肩から首にかけての僧帽筋という筋肉と筋膜でつながっています。
肩・首と手のひらの筋肉。
離れた位置にありますが、構造的には連続しているんです。
もう一つは、親指を握りこむことで、副交感神経の働きが低下します。
副交感神経は緊張を和らげる神経。
この神経の働きが低下することで、更に首肩の筋肉に力が入ってしまうのです。
同じ姿勢で長時間、手だけを動かして仕事をしていると、知らず知らずのうちに親指に力が入っていませんか?
この緊張を取り除かないで、首や肩のストレッチだけを行っていても、一時的に良くなるだけで、またすぐに緊張が戻ってしまいます。
母子球筋のストレッチの方法
・ストレッチする側の手を胸の前に置き、肘を曲げ手のひらを上に向けます。
・反対の手でストレッチする側の親指をしっかり握りましょう。
・ストレッチする側の手を大きく開き、反対の手で親指を大きく反らせます。
・心地良く10秒ほどストレッチさせましょう。
・左右同じように2~3回繰り返します。
また仕事の合間に時々、手のひらを大きく広げるだけでも効果があります。
親指と体の使い方に関しては、昔から知られていました。
私は柔道をやっていました。
有段者になると組む時も小指で相手の胴着をつかみ、親指には力を入れません。
空手の達人も決して拳を固く握りません。
相手に当てる瞬間だけ拳に力を込めます。
肩や首に強いこりを感じた時、親指を意識する人は少ないのではないでしょうか?
どうしても不快なこり感が解消しない時、少し手の母指球に意識を向けてみて下さい。