健晃堂

自律神経の働きを乱す落とし穴

人の心と体とのつながりや
神経系、免疫系、内分泌系の関連

不安や恐怖、ストレスを感じる仕組みや
その対処方法などは
一通り勉強して来た。

ただ知っているだけではなく、
実践もしている

はず・・・

なのにあまり変わらない。

人のこととなるとよくわかるのに、
自分の心身の状態は
いつも乱れている。

よく勉強して、
数多くの経験を積めば積むほど、

逆にこのような落とし穴に
落ちやすくなります。

知識も経験も豊富な人が陥る
自律神経の働きを乱す落とし穴とは、

それは、

“他人を思い込みで判断してしまう”

今週の最初に
体調が乱れがちな梅雨時を
健康的に過ごすためには、

“人の話をよく聞くことが大切”

とお話させていただきました。

これと全く同じ話です。

よく勉強している人ほど、

“人の話を聞かなくなる”

といった落とし穴に嵌ります。

もうどこに行っても、
あまり学ぶことは無い
と感じ始めたら要注意!!

人と会った時に、
過去の自分の経験や、
持っている知識にだけ照らし合わせて、
目の前の相手を判断していませんか?

よくある例です。

気分が沈んだりストレスを感じる時に
人と集まって愚痴を言うのは、
自律神経の正常な働きを乱し、
心も体も悪循環に陥る話をしました。

初めて聞いた方も多いかも知れませんが、
知っていた方も少なくないでしょう。

このような知識の豊富な人Aさんが、
別の人Bさんと話をしている場面を
想像してみて下さい。

Bさんは最近、仕事も人間関係も全てが
上手くいっていないようです。

自分はなぜ上手くいかないのかについて、
Bさんは自分の周りの人や環境について
話し始めました。

するとAさんは
それを愚痴と捉えてしまい
Bさんは自分が上手くいかないのを
他人や環境の責任にしている
と考えてしまいます。

そして、このような言葉を
Bさんに向けます。

「愚痴こぼしてても何も変わらないよ!」
「人のせいにしないで自分を変えたら!」

Aさんとしては正しいアドバイスを
したつもりでしょう。

ところが実は、

BさんはAさんと同じくらいか
もしくはそれ以上に知識が豊富。

そんなことは自分だって知っている。

愚痴をこぼしたり、
人の悪口を言ってるんじゃない。

今いる環境や一緒にいる人達に対して、
自分はどのように対応すれば良いのか?
今の自分は何が間違っているのか?

それを知りたいから、
人や環境がどんな様子か話した
だけなのに・・・

こうなるともうBさんはAさんには
心を開くことは無いでしょう。

Aさんと一緒に居る時間を
苦痛に感じ始めます。

すると、

Bさんの自律神経のバランスは乱れ、
それがAさんにも伝わります。

Aさんは経験や知識の豊富さが災いして
目の前の人の自律神経の働きを乱し、
自分自身も影響を受けてしまった

というわけですね。

このようなケースはよくあるでしょう。

私も整骨院で患者さんの施術に
当たっている時に、

勉強すればするほど、
患者さんは来院されなくなる
といった時期がありました。

自分の勉強が足りないからだ
と誤った方向に考え、
少しでも隙間時間があれば、
知識の習得のために文献を読み、
同じ治療家仲間と電話で話したり、

頑張れば頑張るほど、
離れていく人も増えていく。

まさに、Aさんのような状態ですね。

自分の知識にばかり目が行き、
それを元に施術方法を決めて、
患者さんの話は親身になって
聞くことが出来ていなかったんです。

同じような経験のある方は
多いのではないのでしょうか?

心理学やコーチング、
コミュニケーションや成功法則の
セミナーは溢れ返っています。

多くの人が学んでいますが、
そのほとんどの人は、
このような落とし穴に嵌って
いるように感じています。

知識を持つことで逆に
目の前の相手の話を柔軟に
聞くことが出来なくなる。

その結果、

人と会ってもあまりゆっくりとした
楽しい時間を共有することが出来ず、
自律神経の働きは乱れ心身の状態は、
いつも落ち着かなくなる。

この落とし穴に嵌っていると感じたら
脱出するための気付きに
なっていただけると幸いです。

様々な学びを得ている人が陥りやすい
落とし穴がもう一つあります。

知識が増えれば増えるほど、
息苦しくなる。

心身ともに安定した気持ちで
過ごそうと思えば思うほど、
不安定になる。

そのような状態に嵌ってしまう
原因の一つを次回、お話します。

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