野口三千三 「野口体操・からだに貞く」
“強いということは、自分が生きることに好ましい状態にいつでもどこでもなり得ること”
1977年に書かれてから今まで受け継がれているだけあって、人間の心と体について、とても深い学びを得た本です。
「人間にとっては努力する事の出来る能力よりも、興味を持つ事の出来る能力が大切。」この本の中の言葉です。
何事においても向上心を持って努力する事より、自分自身の知らない自分の強みの発見に興味を持つ方が、幸せになるためには大切だということでしょう。
「自分が弱いという事は、他の弱い物の価値もわかるということ。」
自分は弱いと否定し強くなるために心身を鍛えようとすることは、傲慢な行為だと言われています。
確かに自己否定ばかりでは、どんなに強くなったとしても上には上がいくらでも居るので、いつまでたっても自分は弱いという状態から抜け出せません。
弱い自分の中からも強みや価値を見つけることが出来なければ、本当の意味で強くはなれない。
また、言葉の重要性と身体とのつながりについても深く深く書かれていて、さらに言葉を構成する“音”の持つ意味も知ることが出来ます。
自己啓発や成功法則の類の内容ではありませんが、この本からは人間の体の本質を知ることで同じ学びが得られるでしょう。
何回も繰り返し読みたい本の一つです。