健晃堂

悩みを減らすための高等技術

それは“ボーッとする”ことです。

人の脳には、ぼんやりとしている時に働く「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という機能があります。

このDMNが果たす大切な役割の一つに「見当識」というものがあります。

これは簡単に言えば、自分がどこにいて何をしているという情報を認識すること。

つまり、自分自身の状態を正しく捉えるための機能です。

車でドライブに出掛けて道に迷ってしまった場面を想像してみて下さい。

そんな時に、まずは何をするでしょうか?

現在地の確認と、目的地の確認ですよね。

今、自分がどこに居るのかを確認せずして、目的地へのルートを知ることは出来ません。

現在地を把握しなければ、延々と迷い続けるだけでしょう。

人が悩みの解決策を見つける時も同じ。

今の自分自身の現状を正しく認識することが出来なければ、いつまで経っても解決策など得られません。

道に迷った時には現在地を知ることが重要なのと同じで、人が悩みを減らすためには常に現状把握をし続けることが大切。

そのためには、ボーッとする時間を持ってDMNを働かせる必要があるのです。

社会的に成功して豊かに暮らすための方法の一つとして、昔から時間管理の大切さが語られて来ました。

勤勉で意識の高い人ほど、スキマ時間の活用方法をいつも考えています。

しかし、冷静に今の自分の一日を見つめてみて下さい。

ほとんどの人にとって、そもそもスキマ時間など最初から無いのでは?

移動中にはメールやLINEでメッセージのチェック。

それが終わったらSNSの投稿。

グーグル検索で調べもの。

・・・・・・

どこにスキマ時間があるのでしょう?

今でもすでに、膨大な時間とエネルギーを様々な活動のために消費しているのではないでしょうか。

にもかかわらず、悩みは少しも減ることが無い。

迷いからいつまで経っても抜け出せないのは、DMNを働かせていないことが大きな原因の一つ。

とは言え、ボーッとする時間を持つのは、想像以上に大変です。

スマホもパソコンも見ない。

テレビやラジオも付けない。

本や雑誌も読まない。

この状態でボーッとする時間を持つ。

これはかなりの高等技術です。

スケジュールをきちんと管理し、スキマ時間を埋め、時間の無駄が無いように効率良く一日の予定を詰め込むことは、今の時代なら誰にでも出来るでしょう。

誰にでも出来ることをやっていては、人と同じ結果しか得られません。

そう、いつまでも悩みから抜け出せない、という結果です。

ボーッと出来る人だけが、正しく自分の現状を認識し、悩みを減らしスッキリした気持ちで日々を過ごせるでしょう。

誰にでも出来ることでは無いかも知れません。

勤勉で向上心が強く意識が高い人にとって、ボーッとする時間を持つのは、相当な訓練を要するものです。

悩みを減らし、楽しく充実した日々を送るために。

一日の中でボーッとする時間を持つ、という高等技術を身に付ける。

ぜひ、挑戦してみることをおすすめします。

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