健晃堂

不遇の時代は蓄積の時代

今年は1615年の大阪夏の陣から、ちょうど400年。

戦国時代が終わり、天下泰平の時代が訪れた節目の年に、大阪城では様々なイベントが行われているようです。

豊臣家を滅ぼし、260年以上続く江戸時代の礎を築いた徳川家康は、幼い頃よりずっと不遇の時代を過ごしてきたのは有名な話。

また、秀吉の死後、天下を治めるであろうとされていたもう一人の英雄が、豊臣の軍師だった黒田如水。

この黒田如水も、秀吉の天下取りに大きな役割を果たした割には、あまり大きな恩賞を手にすることもなく不遇の時代を過ごし続けていた人物。

関ヶ原合戦の後、如水は家康と激突すること無く、あっさりと徳川家に天下を譲ったのですが、もしこの二人が戦っていたら、日本の歴史は変わっていたかも知れません。

昔、あるテレビ番組で黒田如水はこのように語られていました。

如水はいかなる不遇な状況に置かれようとも、恩賞には執着しなかった。

しかし“貯めた”

昨年放送された大河ドラマ、軍師官兵衛でも、黒田家の家訓は“倹約”と何度も語られていました。

家康も如水も、不遇の時代を切り開こうと無茶な動きをすることなく、富や人材などエネルギーを溜め込み続けた。

長い不遇の時代に蓄積されたものが大きかったため、晩年になって天下取りのチャンスが訪れた。

このような大人物と違って、私たち凡人はやはり、不遇の時代が長いと身も心もすねてしまいがち。

そして、無駄なことに散財したり、一攫千金を狙って失敗したりして、さらに悪循環に陥ってしまいます。

不遇の時期にこそ、少しづつでも貯金する。

その余裕すら無ければ、人間関係を大切にしたり、知識や経験をしっかりと蓄積する。

そうして蓄積されたものは、いつしかチャンスが訪れた時に、大きな力を発揮してくれるものです。

どんな状況にあろうとも、日頃から毎日何かを積み重ねる気持ちを大切にしたいものです。

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