叡智の三つの秘伝を表現していると言われているのが、日光東照宮の三猿。
見ざる、言わざる、聞かざると、目と口と耳をふさいでいる猿の姿は、よく知られていますよね。
余計なことは、見たり聞いたりせず、他人にも話さない方が良い。
この三猿が伝えてくれる教え、怒りの感情から身を守り、自律神経の働きのバランスを良い状態に保つという点でも実に、理にかなっています。
街中で、怒鳴り散らしている人に遭遇した時。
それだけで、精神状態を乱されてしまったような経験はありませんか?
さらに、立ち止まって話を聞いていると、もっとイライラしてくる。
怒鳴っている方が悪いように見えていたが、話を聞いているうちに、怒る方にも真っ当な理由がある。
それを知った瞬間、自分は関係ないはずなのに、同じような怒りの感情が込み上げてくる。
怒っている人の話に聞き耳を立てたところで、このような悪循環に嵌るだけで、何も良いことはありません。
心と体の状態バランスも乱れてしまい、様々な活動に大きな悪影響が出るだけでしょう。
また、自分自身がイラッとした出来事なども、口にしないのが一番。
愚痴をこぼすと溜まったストレスが吐き出されて気持ちがスッキリする、とよく言われます。
しかし、これは多くのケースで勘違い。
スッキリしたような気がするのは、心に刺さったトゲを、愚痴をこぼすことによってしっかりと叩き込んでしまったから。
そのようにイメージすると、わかりやすいでしょうか?
一度でも言葉に出して、誰かに聞いてもらったイラッとした出来事は、その後長期にわたって忘れることもなく、いつまでも精神的ストレスを感じさせるようになります。
トゲは抜いてしまえば痛みは消えますが、叩き込んでしまうと、ずっと痛みを感じてしまうのと同じ。
小さな怒りの感情など、決して、余計なことは話さない。
平穏な環境を乱すような出来事、人などに遭遇した時には。
見ざる、言わざる、聞かざる。
この三つを決め込むこと。
それが、怒りの感情から身を守るコツの一つ。
ぜひ、参考にしてみて下さい。