梅雨の季節になりました。
この時期になると、体が重くなる、気分が沈む、疲れが取れない、といった日が多くなります。
それは、人の体は自律神経によって環境の変化に対応出来るように、上手く調整されているため。
雨がよく降る季節は、あまり外に出て活動しないよう心も体もゆったりした状態になるのが、人にとっての自然な姿。
しかし、それを理由にゆっくりなどしていられないのが現実では無いでしょうか。
こんな時期には、環境の変化に逆らわず、流れに乗って過ごすことが心地良く過ごすためのコツ。
そのために意識したいポイントの一つが、
“人の話をゆっくり聞くこと”
一見すると、何のつながりも無さそうな話ですが、実は人の心と体の状態に大きく関係しているのです。
はじめに、梅雨の時期の体の変化と自律神経の関係について、簡単に説明させていただきます。
自律神経には、人を活動的にさせる交感神経と、リラックスさせようとする副交感神経の二種類があります。
この二つの自律神経が、目には見えない環境の変化に対応するため、無意識にバランスを調整しています。
梅雨の時期は、人が外に出て活動するにはあまり適した季節ではありません。
そのため、自律神経は副交感神経の働きが優位になり、心にも体にも休もうとする力が強制的に働いているのです。
ここで一度、想像してみて下さい。
人の話を聞かず、自分ばかりまくし立てるように話す人と一緒に居る時。
あるいは、自分自身が人の話を聞かず、一方的に話してばかりの時。
こんな場面では、呼吸が早くなっているはずです。
これは、交感神経を興奮させている状態。
つまり、自然の流れに無理に逆らっている状態、と言うことが出来ます。
一方で、人の話をゆっくり聞いている時をイメージしてみて下さい。
目の前人の話に耳を傾け、ゆっくりと聞いている。
そんな場面では、呼吸も深くなり、気分も落ち着いているのではないでしょうか。
これは、副交感神経が優位に働く、梅雨時の自然の流れに逆らわない状態。
つまり“自然環境に同化している状態”
また、自律神経の働きは、近くに居る人に伝染します。
人の話をゆっくりと聞いていると、自分だけでなく相手も環境に同化した状態になって来ます。
なので、お互いにゆったりとした気分で過ごすことが出来ます。
これが、会話をしていても、話を聞かず一方的にしゃべるばかりの相手だと、どうでしょう?
呼吸も浅く早く、興奮気味に話されると、自分の呼吸も乱れて来ます。
表面上は落ち着いていても、心はイライラして来るのでは?
自律神経の働きのバランスは、自分自身だけでなく、周囲の人からも大きな影響を受けるのです。
環境の変化による自然界の流れに逆らうことなく同化して過ごせば、梅雨の季節にも、大きなメリットがあります。
それは、気付きがたくさん得られること。
春先から今まで頑張って来た人は、これまでを振り返り、たくさんの有意義な気付きが得られるでしょう。
日常全般が何となくリズムに乗れないと感じていたら、パッと何かがひらめくことも少なくありません。
これは、車で飛ばしながら走っていると、周囲のことがわからないまま通り過ぎてしまいますが、スピードを緩めると素晴らしい発見が得られるのと同じようなイメージ。
梅雨の季節には、日頃は気付かないことに意識が向きやすくなるというメリットもあるのです。
人と会って話をする時に“ゆっくり聞こう”という気持ちを持つ。
それだけで、心と体の重だるさは、不快感から心地良さに変わります。
ぜひ、参考にしていただけると幸いです。