いつも心が安定している人は、それだけで魅力的に映ります。
世の中の荒波の中で、もがきながら生きているのは、誰でも同じでしょう。
いつ、何が起きるかわからない状況の中で、平常心を保つために大切なのは、“予想外の出来事”に備えておくこと。
心の浮き沈みが激しい人には、何事も楽観的に捉え過ぎる傾向があります。
悪い事は想像してはならない。
良いことだけ考えていれば、良いことしか起こらない。
そんな、誤った自己啓発の教えに囚われ過ぎることが、平常心を乱す元。
現実には自分の想像や思考には関係なく、予想外の出来事は容赦なく襲って来るものです。
それは、悪い事だけではありません。
自分にとって幸運となる出来事も同じ。
チャンスはある日突然やって来るもの。
しかも、必ずと言って良いほどピンチの顔をして現れます。
予想外の出来事が起きた時に、平常心を保つことが出来れば、ピンチをチャンスに変えることが出来るでしょう。
反対に、何事も楽観的に考え備えをしていなければ、ピンチはピンチでしかありません。
そのまま窮地に追い込まれてしまいます。
宮本武蔵は、戦場を生き抜くための極意を大工仕事に例えて言い表しています。
大工道具の刃物の中で代表的なのは、鉋(かんな)、鑿(のみ)、手斧(ちょうな)。
このうち最も使よく使われるのが鉋で、あまり使われないのが手斧。
手斧(ちょうな)ってご存知ですか?
大工さん以外では、見たことも聞いたことが無い人も多いのでは?
石器時代から存在する、木材を粗削りするための道具です。
武蔵は、このあまり使われることが無い手斧の刃を、いつ出番が来ても良いように準備しているかどうかで大工さんの技量がわかる、と著書の中で記しています。
単に道具を準備しておくことの大切さだけでなく、人が生きて行く上での心構えを説いているのでしょう。
このような習慣を身に付ければ、どんな場面でも平常心で乗り切ることが出来る、という話です。
珍しい話でも無く、当然のことのように思われますが。
出来ているのかと問われると、なかなか出来ないものですよね。
忙しい現代では、ついつい目の前のことにばかり意識が向かい、予想外の出来事に備える余裕まではなかなか持てないかも知れません。
しかし、いざという時に窮地に追い込まれないために、やって来たチャンスを掴み取るために。
備えが盤石かどうか、見直す習慣は忘れないようにしたいものです。
あまり出番は無いが、いざという時には必ず必要になるもの。
それは道具だけではありません。
知識、技術、人間関係などが、重要になって来るでしょう。
ぜひ、参考にしていただけると幸いです。