目は脳の出先機関とも言われています。
目の動かし方によっては、気分や自律神経の働きに様々な影響を与えます。
今回は、人間の生命力を高いレベルで安定させ、自律神経の働きのバランスを整える目の使い方を紹介します。
その方法は、“目の遠近の運動”
やり方は簡単。
・背筋を伸ばし、肩の力を抜いて、顔から20cmほど前の位置に人さし指を立てます。
・目の焦点を人さし指に合わせます。
・次に、その先3m以上の遠方に、何か目標物を決め焦点を移動させます。
・近くの人差し指を見る、遠くの目標物を見る。
・リラックスした状態で、この眼球運動を何度も繰り返してみましょう。
目の遠近の運動は、日頃はあまり行う事が少ないかも知れません。
最初はなかなかコツがつかめず、ゆっくりとしか出来ないかも知れませんが、慣れてしまえば、それほど難しくはないでしょう。
スムーズに行うコツは、近くの人さし指を見る時にだけ目を意識すること。
・近くを見る
・遠くを見る
・近くを見る
・遠くを見る
と交互に意識するのではなく、
・近くを見る
・やめる
・近くを見る
・やめる
・近くを見る
・やめる
といったイメージですね。
人の目は構造上、近くを見るのをやめると勝手に焦点が遠くへ行くので、意識しなくても自然と出来るようになっています。
この眼球運動がなぜ、人の生命力を高いレベルで安定させるのでしょうか!
その理由は、まず、人の目は自然な状態で近くを見るような構造になっていません。
焦点を近くに合わせる時には、目の水晶体を分厚くするため、毛様体筋という筋肉が働きます。
これは、人の活動時や緊張時に働く交感神経が支配している活動。
近くを見ている時間が長いと、いつも交感神経が緊張した状態になっています。
目の焦点を遠近に交互に合わせる運動は、交感神経の働きを高めたり緩めたりさせることになります。
眼球の遠近運動は最初はやりにくいかも知れませんが、何度か繰り返しているうちに、楽に出来るようになって来ます。
こうなると、心身のバランスを整える自律神経の働きもスムーズになります。
交感神経と副交感神経の二種類の自律神経は、常にどちらかに揺れ動きながらバランスを取っているもの。
目の焦点の遠近の調節が素早くリズミカルに出来る時は、この二種類の自律神経の働きのバランスが上手く整っている状態。
ややこしい理屈は抜きにして、まずは目を動かして、その効果を感じてみて下さい。
心も体も“だるい”時の対処法として、とても効果を感じやすい方法の一つです。
ぜひ、試してみて下さい。