年末の忙しさを健康的に乗り切るためには、集中力が大切。
人が本当の集中力を発揮出来ている時は、よく“ゾーンに入る”などと表現されます。
アスリートがよく使うこの言葉ですが、普通の人でも高い集中力を発揮すると、ゾーンに入ることが出来ます。
こんな時の人は、呼吸の状態がとても整っているのが特徴。
息を吸う時間と吐く時間が、1:2の割合になっています。
3~4秒息を吸ったら、吐くのは6~8秒といった感じ。
無意識のうちに吸気と呼気の割合が1:2になっている時、人は本当の集中力を発揮出来るもの。
集中すると聞くと、ある物事の一点にだけ意識を集めることのように思われがちですが、実はそれは本当の集中ではありません。
手足は細かい動きまで正確に出来る。
五感は冴え、周囲のありとあらゆることにまで意識が向き、小さな物事にも気が付きやすくなる。
なので何事もとてもスムーズに進めることが出来る。
本当の集中力を発揮するとは、こういう状態。
集中力は自律神経の働きのバランスに影響を受けます。
アクセルの役割を果たす交感神経の働きが高くなると、人は活動的になる一方で、周囲の細かい事柄には意識が向かなくなります。
ブレーキに例えられる副交感神経は、活動を休ませようとする一方で、周りの小さな変化や出来事にも気付きやすくなります。
この二種類の神経の働きは、呼吸によって調整出来るもの。
自律神経の働きは、息を吸う時に交感神経に傾き、吐く時には副交感神経が優位になります。
ゾーンに入った状態になるためには、息を吐く時間が吸う時間の2倍、つまり副交感神経の働きが高まることが大切。
副交感神経はブレーキの役割。
なので、働きを高めると物事が進まなくなるようなイメージを持たれるかも知れません。
ところが実際はそうではありません。
人を活動的にさせるのは、確かに交感神経の働きによるものです。
しかし、アクセルを踏むとすごくスピードが出るが、ブレーキの利きが悪い車を想像してみて下さい。
そんな車で街中を走りながら、目的地に辿り着けるでしょうか?
おそらく途中で事故を起こし辿り着けない可能性が高いでしょう。
それ以前に、そんな車は危険過ぎて最初から運転出来ないのでは。
つまり、いくらアクセルの性能が良くてもブレーキの利きが悪い車は、動かすことすら出来ないので、当然どこにも行けないということになります。
人の活動についても、全く同じこと。
心も体もやる気十分で、いつでもパワー全開で動ける準備が整っていたとしても。
軌道修正のためスピードをゆるめるブレーキの役割が備わっていなければ、危なくていつまでも動けず、物事が前に進みません。
無理に動くと、大失敗をしてしまうだけ。
これとは反対に、ブレーキの機能がしっかりとしていると、いつでもすぐに止まる事が出来ます。
何かミスをしそうになっても、すぐに修正が出来る。
なので、スピードを出すべきところでは、安心してアクセル全開で突っ走ることが出来るのです。
これが、本当の集中力を発揮し、ゾーンに入るという状態。
日頃から、吸うと吐くを1:2の割合になるような呼吸を意識してみてはいかがでしょう。
呼吸方は出来るだけシンプルにイメージするのがコツ。
ただ、1で息を吸って、2で倍の時間を掛けて息を吐く。
無意識にこの呼吸が出来るようになると、自律神経の働きが高いレベルで整います。
すると、心と体のブレーキの利きが良くなり、アクセルを踏むことに不安や恐怖が無くなります。
そして、ここぞという場面で高い集中力を発揮し、何事もスムーズに進められるようになるでしょう。
呼吸に対する意識一つで、人の集中力は大きく変化します。
ぜひ参考にしてみて下さい。