本来、人は毎日たくさん歩いていました。
よく動き、呼吸も自然と深く大きくなっていたのでしょう。
歩くこと。
呼吸すること。
血液を全身い廻らせ心身の調和を取るための仕組みが、生活が便利になるにつれ、上手く活用出来なくなってしまった。
科学技術が進歩しているにもかかわらず、心と体の病気が増える一方なのは、そこに理由があると考えられます。
東洋医学には陰陽論という考え方があり、血液は陰に属しています。
「陰」と聞くと、暗い印象やネガティブなイメージがありますが、決してそうではありません。
陰とは“支える存在”
陰と陽はお互いに依存しながら、全体として一つの形を成しているものなのです。
そして陰の血液の中にも、「陽」の動脈と「陰」の静脈があります。
心臓が動くことで、エネルギーを生み出すのに欠かせない酸素をいっぱい含んだ新鮮な動脈血が、全身に送り出されます。
しかし、その動きを支えているのは静脈。
全身の血液の7割以上を占める静脈が、上手く循環することで、初めて動脈は活動することが出来ます。
情緒が不安定になりがちな時は、この静脈が上手く循環していないケースがほとんど。
歩く機会が減り、下半身の冷えることなどが原因。
その結果、脳のエネルギー不足や、心を安定させるためのホルモンが上手く運ばれなくなり、人は情緒が不安定になってしまいます。
情緒が不安定になるのを防ぐためには、太ももからふくらはぎの内側のマッサージが効果的。
静脈血の流れが滞りがちなこの部分を、しっかりと揉みほぐしてあげましょう。
身近な大切な人に、ついあたってしまう。
感情のコントロールが出来なくて、すぐに人に気持ちをぶつけてしまう。
いつも精神的に安定しない。
ちょっとしたことで、イライラしてしまう。
……
それらは人間的に未熟というわけでもなければ、正確が悪いわけでもありません。
人の心と体を支える「陰」の存在である血液が、上手く全身に廻っていないだけ。
静脈の流れを良くするために、日頃から太ももからふくらはぎを、優しくマッサージすることで、心と体の安定が保たれやすくなります。
参考にしていただけると幸いです。