イライラする場面に続けて遭遇した。
興奮して気分が落ち着かない。
動悸が起こるほど、胸が苦しくなる。
そんな時には、
“手のひらを胸の前で合わせてみましょう”
両手を胸の前で合わせ、手のひらで呼吸をするようにイメージします。
呼吸に合わせ、両手のひらの間が、広がったり縮んだりするのを感じ取りましょう。
手のひらが膨らんだり縮んだりするとイメージした方が、わかりやすいかも知れません。
そして、少しずつその感覚を全身に広げていきます。
体が一つの袋のようになり、膨らんだり縮んだりするのが感じられると思います。
あまり細かく考えず、適当に自然な感じでイメージして下さい。
いつの間にか動悸も鎮まり、精神状態も落ち着いて来ます。
手のひらとは、脳からの指令を元に動く精巧な端末のようなもの。
全身に占める大きさの割合では、手のひらは決して大きな部位ではありません。
ところが脳内では、手のひらを支配する領域は、とても大きな割合を占めているのです。
人の脳と体との信号のやり取りは、脳からの一方通行ではなく、体も脳に信号を伝えているのです。
イライラしたり気持ちが興奮しているときは、脳や自律神経の働きが乱れた状態。
激しい動悸に襲われるのは、自律神経の働きのバランスが乱れるため。
手のひらを合わせることで脳に膨大な情報が伝わり、脳内での信号が安定します。
二つの手が響き合い、イライラや興奮が溶けていく、といったイメージでしょうか。
動悸が鎮まると、全身の力も抜け、大きな流れに身を任せるような脱力状態になります。
すると、周囲の環境と自分の体が響き合い、何かが通じ始め、安心感が得られるでしょう。
両手のひらを合わせ、呼吸に意識を向ける。
これだけで、心と深いつながりを感じることが出来ます。
激しい動悸、興奮状態や不安が治まらない時。
静かに胸の前で、両手のひらを合わせてみることをおすすめします。