腰や肩に痛みを感じる。
心の状態が不安定で、理由も無く急に不安になる。
動悸を感じることが多い。
それらは、身体が発信している何らかの危険信号。
本来のあるべき状態にリセットする必要があります。
最も簡単で効果的な、心身のリセット法とは。
“歩くこと”
自然な感じで疲れないように歩く。
人間には、精神的にも肉体的にもバランスを崩してしまった時には、自然と元に戻ろうとする力が備わっています。
その力を引き出すために、歩くことはとても効果的。
しかし、心と体をリセットするための歩き方にはコツがあります。
・最低でも1時間以上は歩くこと。
・時速4㎞程のスピードで、ゆっくり歩く。
・荷物を持ったり背負ったりせず、何も持たずに歩く。
・脂肪の燃焼や筋力の強化を考えず、疲れないように歩く。
・周囲の景色などを見ながら、楽しみながら歩く。
これらが、心身の不調を解消し、正常な状態に戻るための歩き方のコツです。
まず、現代人で特に都市部に住む人は、歩くスピードが非常に早い傾向があります。
片道2㎞程の距離を、往復1時間で歩けば、ちょうど時速4㎞。
このスピードがどの程度のものかは、一度ご自身で体感してみることをおすすめします。
日頃の早歩きに慣れた人にとっては、意外なほど遅く感じられることでしょう。
歩く時に、荷物を持っていると、体に負荷が掛かってしまいます。
負荷が掛かる部分の筋肉は緊張状態になり、これではリセットが出来ません。
鞄などは一切持たず、なるべくなら財布も携帯電話も持たずに歩いてみることをおすすめします。
また、心身のリセットを目的とした歩行は、体力向上やダイエット目的のウォーキングとは、全く別物です。
筋力強化や体力の向上のためには、体に負荷を掛けなければなりません。
腰痛や肩こりなどがある時に、負荷が掛かる歩行をすれば、逆に痛みを増強させてしまいます。
ダイエット目的の歩行は、エネルギーを効率良く燃焼させるための歩行。
心を安定させるための歩行は、エネルギーを消費することなく、姿勢を正し、体がぶれない様にする必要があります。
1時間ほど歩いても、ほとんど疲れない歩行がベスト。
難しく考えず、背筋を伸ばし、自分なりの一番楽な歩き方を見つけてみましょう。
疲れない歩行は、ダイエットや筋力強化にはなりませんが、人の姿勢を正常に保つための体の深部にある深層筋を活性化させる効果があります。
人の心と体は深くつながっているもの。
エネルギーを消費しない歩行を心掛けると、自然とシャキッとした姿勢になり、精神状態も安定して来ます。
正しい姿勢の維持が出来ると、腰や肩にかかる負担も減り、自然と体の不調も和らぐでしょう。
そして、最も大切なのが、歩行そのものを楽しむこと。
目的地を目指すために歩くのではなく、ダイエットや体力向上が目的でも無く、歩くこと自体を楽しむ。
周囲の景色を眺めながらゆっくり歩くと、今までに気が付かなかった様々な発見があります。
それらの刺激は、脳の日頃あまり活動しない部位を刺激し、様々な角度から柔軟な物の考え方が出来るようになります。
楽しいことをしている時には、人の自律神経の働きのバランスも、高いレベルで安定して来るもの。
突然起こる動悸や不安、慢性的な痛みや疲労感、眠気などは、自律神経の働きのバランスが安定することで、かなり軽減します。
仕事や日常生活を続けて行く上で、体の痛みや心の不調を感じることは、誰にでもあることです。
心身の状態をリセットするため、何も持たずに疲れないよう、楽しみながら1時間ほど歩く習慣を身に付けておけば、大きな不調に陥る危険性も少なくなるでしょう。
日々の、心と体の健康維持のために、ぜひ参考にしてみて下さい。