健晃堂

一生懸命ではないから出来る

新しい仕事や活動を始めてみたが、いまいち上手く行かないし、上達するような気がしない。

そのような時の考え方の一つ。

“今は時期じゃない”

何事も身に付けるためには一生懸命取り組む姿勢は、確かに大切かも知れません。

しかし、出来ないことに一生懸命取り組んでしまうと。

「自分には出来ない」という思い込みが、強烈にインプットされてしまう危険性があります。

大工さん、料理人などの職人さんは弟子を育てる時に、最初は雑用ばかりやらせます。

精神的な修業の意味もありますが、本当は徐々に仕事に慣れさせていくのが目的。

いきなり道具を持たせて技術を教えたとしても、余程のセンスの持ち主でない限り、ほとんどの弟子は最初は何も出来ないもの。

意味も解らないまま、「自分には無理だ」という先入観を抱かせてしまいかねません。

なので、最初は誰にでも出来る雑用をさせながら、少しずつ仕事のイメージをつかませる。

自分にも出来るというイメージが出来た頃に技術を教えることで、挫折を防ぐという意味があります。

師匠に弟子入りして仕事を教えてもらう場合は、上達するまで上手く導いてもらえるかも知れませんが、一人で始めたものは、なかなか上手く行かないケースがほとんど。

ただし、今が上手くいかないからといって、「センスが無い、自分には無理」と決めつけない方が良いでしょう。

人の能力など、実際にはそれほど大きな差があるものではありませんから。

そうは言っても、あまりに失敗体験を重ねすぎると、人は出来ないという思いが潜在意識に刷り込まれてしまいます。

こうなると厄介で、潜在意識に深く刷り込まれてしまったものは、なかなか書き換えられません。

そうならないためには、“今は時期じゃない”と一旦、手を引くことも大切。

本当にやりたいこと、目指していることなら、必ずまた時期が来るものです。

タイミングに合わせて行動を開始すると、一生懸命頑張らなくても出来てしまうケースが多々あります。

世の中には、芸術活動になど関わった経験が全く無いにも関わらず、突然きれいな絵が描けるようになる人。

人前で話などしたことが無いのに、急に人気の講師になる人などが、少なくありません。

もちろん人並み外れた努力の結果、そうなる人も居ますが、大抵はあまり頑張ったわけでは無いのに自然とそうなってしまったようです。

上手く行かないことを、出来ないイメージのまま一生懸命頑張り過ぎるのは、心身の健康を壊すもと。

「出来ない」ではなく「時期じゃない」

このように考え一旦手を引くことも、目指す自分に近付くための近道かも知れません。

16.04.19

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