「雄弁は銀、沈黙は金」
1831年にドイツ語で執筆された、トーマス・カーライルの「衣装哲学」にある言葉です。
よく話し語ることは大切であるが、沈黙すべき時やその効果を心得ておくことは、さらに大切であるという意味ですね。
このような言葉には様々な解釈がありますが、自律神経と心身の関係から述べさせていただきます。
人は時に、つい大口を叩いてしまったり、誰かの悪口を口にしてしまうことがあります。
思ってもいないことを口走り、信用を失ってしまうケースもあるでしょう。
そのような時には決まって、交感神経の働きが高くなり過ぎ、心のコントロールが出来なくなっています。
興奮状態になり。言葉の制御も効かなくなる。
早口で、まくしたてるように話すようになり、失言も多くなってしまう。
誰にでも経験があると思います。
なぜあの時、あんなことを言ってしまったんだろうという後悔を防ぐためには、とにかく“黙っている”のが一番。
興奮しながらペラペラと話していると、呼吸が早く浅くなりますが、黙って静かにしていると自然と呼吸もゆっくりと深くなって来ます。
呼吸が落ち着いて来ると、自律神経の働きのバランスも高いレベルで安定して来ます。
すると、気持ちにも余裕が生まれ、周りの人を惹き付ける雰囲気も生まれて来るでしょう。
このような状態を保っていれば、表面的な言葉ばかりを口にして、周囲の人から本心を見抜かれ信用を失うことも無くなります。
本当のことや、本心から思っていることだけを話し、有言実行の人になる。
それが、周りの人からの信頼につながります。
「沈黙は金」となるのは、誰かと会話をしている時だけではありません。
インターネット上では、誰かのちょっとした書き込みに対する大炎上がよく見られます。
また、個人間のメッセージのやり取りで大きなトラブルや事件が発生するケースも後を絶ちません。
パソコンやスマホなどのモニターは、人の交感神経を過剰に興奮させてしまう傾向があります。
そのため、すぐに精神状態が乱れ、しなくても良い書き込みをしたり、感情的なメッセージを発信してしまいがちです。
心の乱れを感じた時にも、何もしないのが最善の策。
沈黙を守り、呼吸を整え、心身の状態が高いレベルで安定した状態でメッセージを送るなどの行動を取る。
それが何事においても、最も良い社交術になると思われます。
参考にしていただけると幸いです。