「ストレスは自分の内側にある」
「過去と他人は変えられない」
「身に起こる現象は全て自分の思考が作り出している」
心理学や自己啓発を学んだことがある人なら、耳にタコが出来るくらい聞かされていますよね。
ビジネスの成功マインドなどの話でも必ず出て来ます。
これらの言葉は確かに正しいのでしょう。
人の心と自律神経の関係から見ても、同じことが言えるでしょう。
強い怒りを感じた時。
他人に対して怒りの感情をぶつけると、自分の自律神経の働きも大きく乱されてしまい、結局は自身も傷ついてしまいます。
なぜ怒りの感情が生じるのか?
原因を自分の内側から発見し、きちんと対処すれば、確かに他人に対する怒りは鎮まるものです。
ですが、
本当に、そんなこと出来ますか?
現代では、心理学や自己啓発セミナーが大流行りなのに、なぜ人々の不安やストレスは増すばかりなのでしょう?
無理もありません。
いくら正しい言葉であっても、これらの教えを本当に理解して自分の感情のコントロールに活かすにためは、相当な訓練が必要だからです。
怒りや不安の感情に囚われて、強いストレスを感じている時などに。
心と体の健康を扱う治療家の視点からは、この類の言葉で感情をコントロールしようとする行為は、害にしかならないと思われます。
これらは例えるなら、怪我をして痛みに苦しんでいる時に、健康に良いからとジムで筋トレや激しい運動をして治そうとしているようなもの。
怒りや不安など、強いストレスを感じているのは、心に怪我を負った状態です。
負傷した時に必要なのは“応急処置”であって、健康法ではありません。
最初に挙げたような言葉は、日頃の心の健康法としては素晴らしいものであっても、応急処置が必要なケースでは逆効果になってしまうのです。
では、心の怪我に対する応急処置とは、どうすれば良いのでしょうか?
それは、
“呼吸”“笑顔”“水を飲む”
まずは、呼吸。
息を吸って吐く、ただそれだけです。
一つだけ意識するべき点は、“吸う”よりも“吐く”方を長くしてみましょう。
次に、笑顔。
心から笑う必要はありません。
はらわたが煮えかえるくらい怒っている時は、人さし指を口にくわえる。
すると口角が上がり、強制的に笑顔になります。
そして、水を飲む。
今度はしっかりと水が胃腸に届くところをイメージしてみましょう。
この3つが怒りや不安などの感情から、心身の健康を守る応急処置。
ポイントは余計なことは考えず、とにかくやること。
応急処置が必要な場面では、あれこれ考えず、やるべきことをやることが大切。
突如、強い不安や怒りの感情に襲われてしまった時。
ぜひ、活用してしてみて下さい。
次回、もう少しこのお話を続けたいと思います。