ボーッとした時間を過ごしてしまった。
と、反省してしまった経験は誰にでもあるでしょう。
「時は金なり」
「時間は人生そのもの」
などの言葉を聞くと、誰もが時間の大切さを意識し始め、ボーッとした時間を無くそうとします。
では、ボーッとした時間を無くせば、豊かさが手に入るのでしょうか?
いいえ、ほとんどの人は豊かにはなれません。
むしろ、心身のバランスを崩し、経済状況も悪い方向に追い込まれるだけです。
この理由を、精神論は省き、鍼灸師の視点から説明させていただきます。
人が価値のある行動を続けている時、自律神経は交感神経が優位に働いています。
交感神経が興奮すると胃腸の働きを抑えます。
胃腸は人の活動に欠かせない食物を消化し、体内に取り入れる器官。
体にとって有益な物か、そうでないかを判断するところ。
この判断する能力が“感じる”ということ。
食べ物だけに限った話ではありません。
腸の働きの低下は、そのまま脳の働きの低下へと繋がってしまいます。
つまり、意味のある時間を過ごさなければならないとボーッとする時間を無くし、行動を続けている間、人は何かを“感じる力”を低下させているのです。
動き続ける必要がある時には、何かを感じたり、考えたりする力は邪魔になるだけ。
なので、頭に余計な思考が入ったり、今感じなくても良いことに意識が向かないように、自律神経によって自然に人の心と体は調節されているのですね。
時間を無駄にしてはいけないと、行動を続ければ続けるほど、思考力は低下してしまいます。
そうなると、何をするにしてもミスや間違いが多くなり、結果的に行動の質も下げてしまいます。
根を詰めて考え事をしても、何も頭に浮かんでこない。
そんな時に、鳩尾(みぞおち)の辺りを触ってみて下さい。
強い張りを感じるでしょう。
この張りが、あなたの行動の質を下げてしまう原因。
交感神経の働きを鎮め、お腹の張りをゆるめるためには、何も考えないただボーッとする時間を持つことが大切。
よく考えるためには、何も考えていない無意味な時間が必要です。
また、良い考えは、無意味な時間から生まれもの。
無意味と思える時間は、決して無意味ではないのです。
ただし、無意味な時間を価値があるものにするためには、本当に何もかも忘れてボーッとすることが大切。
これはこれでまた、やろうと思ってもなかなか難しいものです。
ボーッとしたくても、なかなか出来ない。
行動の質も低下し、思考も固まり、休息が必要なのになかなか休めない。
そんな状況を、即効で解消する方法があります。
それは、
“白湯を飲む”
もし、追い詰められた状態になってしまったら。
ぜひ、試してみて下さい。