人は目だけでものを見ているわけではありません。
目に入った信号が脳に送られ、脳が解析・判断して、はじめてものが見えるのです。
ものを見るのは、言わば目と脳の共同作業。
この「見る」という行為によって、人は五感の中では最も多くの情報を受け取り、処理しているのです。
高度情報化社会を生きていく上で、目と脳が共同して上手く働くことは、人らしく豊かに生きるために、とても大切なこと。
このバランスが崩れると、様々な勘違いやミスが多発し、人は大きなストレスを抱え込んでしまいます。
また、最近は本を読んでも、全く内容が頭に入らない。
新しく出会った人の名前と顔が全く覚えられない、などのような話もよく聞きます。
これらの原因も脳の疲れによるもの。
パソコンのモニターやスマホから発せられる強い光が、思っている以上に自分の脳を疲労させているため。
いくら目から文字などの情報を取り入れても、脳がそれらを解析・判断できなければ、何も見えていないのと同じことです。
では、脳の疲労を回復させるには、どうしたら良いのでしょう?
最も良いのは、完全にパソコンやスマホとの接触を断ってしまうこと。
一定期間、完全にモニターとその先にあるネット上の情報から離れることで、驚くほど脳は本来の働きを取り戻します。
しかし、多くの人にとって、それは現実的な方法では無いでしょう。
ならば、どうすれば良いのでしょうか?
それは、
“自分で自分に暗示をかけること”
例えば、読書をする前なら
「この本の内容は、すごく良く理解できる」
などと言葉に出してみましょう。
大切なのは、頭の中で思うだけでなく言葉を口から発することです。
言葉にすることで、潜在意識がその言葉を受け取り、本来の脳が持つ力が引き出され、崩れてしまった目と脳の共同作業のバランスを、再び整えてくれるのですね。
読書に限った話ではありません。
初対面の人に会った時でも、
「あの人の名前と顔、話の内容は覚えやすい」
などと後で振り返って、言葉に出してみましょう。
雰囲気によっては、本人を目の前にして言っても良いかも知れません。
それだけで、ずいぶんと印象深くなるものです。
パソコンやスマホのモニターから受けるデジタルストレスは、想像以上の能力の低下を招くことがあります。
そんな時に、頑張りが足りないからだと、さらに自分を奮い立たせるような行動は、悪影響しかありません。
何かが上手く噛み合わない。
そんな感覚に陥った時、この目と脳の共同作業のバランスに乱れが生じているケースは、本当に多いものです。
見たり聞いたりした話が、全く覚えられない。
同じ情報を何度も検索して調べてしまい、無駄な時間を過ごしている。
このような時に、ぜひ一度、自分の脳に暗示を掛けてみて下さい。
その効果は、はっきりと自覚できると思います。