健晃堂

情報化社会で心身のバランスを保つコツ

情報過多の環境で暮らしていると、人の体にも気が付かないうちに変化が起こります。

胸がいつも緊張し、呼吸が早くなる。

無意識のうちに体の重心が前に移動し、短距離走のスタート前のような緊張状態が続く。

すると、精神的にも常に気が張ってしまい、なかなかリラックスすることが出来なくなります。

私は8月7日の昼から14日の夜まで、外部との連絡を一切絶ち、誰とも口を聞いてはいけないという環境の中で過ごして来ました。

この生活に入るとすぐに、精神的にも身体的にも違和感を感じ始めました。

すぐに何らかの行動を起こせる準備が整っているにもかかわらず、何もすることが無い。

その違和感を解消するため、頭の中で勝手にインターネット上の仮想空間を想像し、何かを決断していたり。

寝ていても見る夢は、SNS上で繰り広げられているような世界ばかりだったり。

これほどまでに日頃、無意味な緊張を強いられているのか、と実感させられました。

今までにもデジタルデトックスの為、パソコンから離れ、スマホの電源を切り、ネットからもたらされる情報から離れていたことはありました。

しかし、自分はネットから離れていても、接する人がスマホなどを使っていると、やはり情報は入って来るもの。

また、周囲の人が緊張していると、それらは伝染してしまいます。

会話をしなくても、外を歩くとそこはネットからもたらされる情報に支配された世界。

心身の状態をリセットすることは、ほぼ不可能です。

ネット環境だけでなく人との接触も絶ち、部屋に籠ることにより、今の自分の姿が浮き彫りになったような気がしました。

頭の中では、やらなければいけないと感じていることが山ほどあるにもかかわらず、行動が全く追いつかない。

なので、いつも緊張した状態が続き、心身ともに休まらず、いつの間にか体を壊したり、精神的に深みに嵌り込み、抜け出せなくなったり。

今まで、幾度となくこのような経験を繰り返して来ました。

同じような経験を持つ方も少なくないでしょう。

それでも、外部との連絡を一切絶ち、2~3日が経つと、体にも気持ちにも明らかな変化が現れます。

その変化は、とても心地良いものです。

雑念は頭から追い払えませんが、不安を感じることはありません。

また、体がとても軽く軽快に動くようになります。

忘れていた子どもの頃に感じていた感覚が、蘇って来るようでした。

今の時代、都会の交差点に立った時に人が触れる人工情報の量は、19世紀の人が一生かけて得た総量よりも多いのでは、とも言われています。

このような時代だからこそ、本当は誰しも一定期間、外部との連絡を一切絶ち、本来の人の姿に戻るため、自分と向き合う時間が必要なのかも知れません。

ですが、多くの人にとって、それは現実的では無いでしょう。

ならば、心と体を良好な状態に保つためには、意識して緊張し過ぎている体を柔らかくする必要があります。

簡単な方法の一つとして、手首をブラブラさせて柔らかくしてみて下さい。

手首の緊張が解ければ、腕の筋肉の緊張が緩み、さらに繋がっている胸の緊張も和らぎます。

私がお籠りの最中に、最初に緊張が解けていくのを感じたのは、手首でした。

何だか手が軽い。

そう感じ始めてから、徐々に全身の緊張が緩んでいったような気がします。

手首の緊張を緩めることで、全身の状態を整えるという手技療法は昔から知られていますが、その意味を深く実感させられるようでした。

手首の緊張を緩めておくことが、高度情報化社会を生きる中で、過緊張状態になり心身ともに動けなくなるのを防ぐ、一つのポイントになるでしょう。

全身の緊張が解けて、体が軽く感じられるようになると、さらに様々な気付きがあります。

次回以降、続けてお話しさせていただきます。

15.08.18

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です