健晃堂

本当の豊かさとは?

ゴールデンウィークも終わりました。

また新しい気持ちで日々を過ごしたいものです。

ここ数日はやや体調不良気味になり、あまり出歩かず自宅で考え事をしておりました。

大阪都構想についてなど考え事は山積みですが、一番考えていたのは大地震の起きたネパールについて。

2004年のゴールデンウィーク、旅好きの私は初めてネパールに行きました。

自分探しだとか、異文化に触れて視野を広げたいとか、何か仕入れて来て日本で売るとか、目的などありません。

ただ、行ったことがない国へ行ってみたい。

それだけでした。

当時の私は31歳、整骨院を開業して軌道に乗り始めたころ。

仕事は何をやっても上手く行き、月収も一桁変わり、まさに人生の上昇気流に乗り始めていた時期です。

特に大きな悩みも無く、気分良く出掛けた旅行先で、思わぬ経験をすることに……

カトマンズに着いた翌日の昼、食堂でご飯を食べていると店内が何か騒がしく、店のスタッフがみんな私の方を見ています。

文化も風習も違う国で、何かやらかしてしまったのかな?と気になり始めた私に近寄って来た店員さんが発した言葉、

「enjoy?」

えっ!!

何が言いたいのかよくわからない。

みんな心配そうな表情でこっちを見ています。

言葉もよくわからないまま会話を交わし、ようやく理解できたのは、私があまりにも無表情で食事をしているので、店の人達が何か粗相があったのではと気になっていたとのこと。

「ここは食事を楽しむ所です、もう少し楽しそうにして下さい」

何語だったのか忘れましたが、確かにそんな意味のことを言われました。

ただ普通に昼飯食ってただけやのに……

何でそんなこと言われなあかんねん!

でも、何故か楽しい。

そんなことで一人愉快になりながら、ヒマラヤ山脈が見渡せるナガルコットの丘に向かいました。

タクシーにぼったくられて……

それでも安いので、ぼられていることにすぐに気が付きません。

目的地について適当に宿を取り、サンセットの時間までウロウロしていると、物売りやガイドなど色々な人が寄って来ます。

その中でも日本語が話せて波長が合いそうだった一人の若者にガイドをお願いしました。

ヒマラヤが夕陽に染まる時間まで、色々な話を聞きました。

ネパールは、人々の心が豊かでいかに素晴らしい国であるか、など。

そして、また同じことを言われました。

「あなた、なぜ笑わない?」

彼が言うには、日本人はみんなお金持ちだが、とにかく笑わなさ過ぎる、心が貧し過ぎる。

話をしていて、とても可哀そうな気持ちになる。

「日本も早くネパールのような豊かな国になればいいのにね」

表現は違ったが、確かそんな意味の言葉をネパールの若者から言われました。

冗談じゃない。

日本は経済大国で、その中でも今私は上昇気流に乗っている。

発展途上国の人間に言われたくない。

……

などという気持ちは全くと言って良いほど湧いて来ません。

「そうやな~」

と素直に納得させられるほど、そのガイドの若者の笑顔には安心感と優しさが満ち溢れ、深い知性を感じさせられたのが印象的でした。

日本は間違いなく経済大国だし、その国の中で自分は今、お金持ちに一直線に向かっている。

進むべき道に迷いはない。

だけど、何かが足りていない。

ネパールは確かに貧しい国なのかも知れない。

でも居るだけで、誰かと言葉を交わすだけで、満ち足りた気分に浸ることが出来る。

本当の豊かさとは何か?

11年前の今頃、そんなことばかり考えていたのを思い出しました。

答えは無いテーマなのかも知れませんが、再度深く考え直して日々を過ごしたいと思います。

私はまだ2回しかネパールには行ったことがありません。

ですが、

本当に心が安らぐ国。

人々の心が豊かな国。

居るだけで落ち着いた気分になれる国だと感じています。

やはり素晴らしいと感じるのは、こんな大きな震災の後でも略奪などが起きない国であること。

ネット上の映像でしかわかりませんが、避難所でも人々に笑顔が見られること。

この素晴らしい国の復興のために、何か手助けがしたいと思います。

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