どれほど健康体の人でも、どこかに多少の痛みや不調を抱えながら生きています。
心も同じ、悩み、落ち込みなど、必ず辛い時期に遭遇するものです。
なぜ、人は辛さを感じるのでしょう?
心と体に起きる辛い現象は全て、快適に生きるための調整現象だと言えるでしょう。
例えば、インフルエンザにかかった時の発熱。
これは、体内に侵入したウイルスを免疫細胞が退治するために戦っている状態です。
骨折などの怪我をした時の痛みや腫れは、傷めた個所を修復し、元の健康体に戻るための反応。
心の辛さも同じ。
失恋、仕事上の失敗、人間関係のトラブルなどに遭遇した時。
辛さを感じることが無ければ、人は成長出来ません。
辛いと感じるからこそ、より良く生きるために、自分を今置かれている状況に最適化させようとするはずです。
つまり、辛さを感じる機会が多いということはそれだけ、
“命の鮮度”が保たれているということ。
鮮度の良さは、それだけで価値があるものです。
経済的にも豊かで社会的な地位もあり立派な人物なのに、なぜかあまり魅力が感じられない人に会ったことはありませんか?
欲しいものは何もかも手に入れ、満たされた状態になると、人は辛さを感じることも少なくなります。
すると、その途端に鮮度が落ち、輝きを失い始めます。
それでも、生きていく上で問題が無ければ、人は環境に合わせて自身を最適化させようとしません。
なので、魅力は下がる一方。
一方で、今がどのような状態であれ、自分を最適化し続けている人は、常に命の鮮度が保たれています。
目には見えなくても成長し続けている。
このような人はいつしか、誰の目にもわかる大きなエネルギーを放ち始めます。
その期間は数週間のこともあれば、数十年もかかった末ようやく花開く人もいるなど様々。
“自分を最適化”するということは、今の自分を否定し“新しい自分に変化する”ということ。
人の心と体は、すぐに変化させることは出来ません。
最適化に取り組んでいる期間は、他人から否定されることも多いので、辛い時期が続くでしょう。
より良く生きるための心と体の調整作業は、苦痛を伴うのは避けられないものなのです。
若い頃に病気に悩んでいた人が健康を手に入れた途端に、どこでも目立つほどの輝きを放つ存在になった。
友達も少なく長い年月を孤独に過ごして来た人が、コミュニケーションへの苦手意識を克服したら、多くの人から頼られる存在になった。
こういったケースは、多々あるものです。
心の悩み、体の悩み、お金の悩みなど、生きていくためには辛さは付きもの。
辛さを感じるからこそ、その先には、より良い未来が待っています。