パートナーに相談事を持ち掛けられたので、誠実に向き合って応えたら、なぜか怒らせてしまった。
怒らせた理由を確認しようすると、さらに強い怒りをかってしまった。
こんなコミュニケーションの失敗は、誰にでも経験があると思います。
なぜ、そんなことになってしまうのでしょう?
コミュニケーションの本やセミナーなどで、様々な理由が語られていますね。
まずは、相手の気持ちを受け入れることが大切。
一般的に男性は解決を求め、女性は共感を求めるため、男女の脳の違いを理解しておく必要がある。
など、よく聞かれるところです。
コミュニケーションについて押さえるべき基本的なポイントは色々ありますが、それらを身に付ければ上手く行くのかと言われれば。。。
現実には、何も変わらない。
そう感じる人も、少なくないようです。
むしろ、学べば学ぶほど周囲から人が遠ざかり、本音で話り合える人が減ってしまった。
そう話す人のように、逆にコミュニケーションに対する自信を失ってしまうケースがあるのも現実です。
その理由の一つとしてもやはり、身体感覚を失っていることが挙げられます。
心理学や脳科学に基いてのコミュニケーションのスキルは諸刃の剣です。
上手く使いこなせば、とても深く有意義なコミュニケーションが出来る一方で、使い方を間違うと自分も相手も深く傷付けてしまいかねません。
せっかく学び身に付けたスキルの使い方を間違ってしまう大きな理由に、身体感覚の欠如があるのです。
身体を「頭」「胸」「腹」に分けると、「頭」は“思考”「胸」は“感情”腹は“体”に対応しています。
人はコミュニケーションを行う時、これら全てを複雑に組み合わせながら使っています。
なので、自分の身体感覚の一部が欠如している時には、相手が発した言葉を上手く受け取ることが出来ません。
胸にある感情から出た言葉は、胸で受け取らなければ、相手の真意はわからないもの。
身体感覚の一部を見失うと、相手の言葉がどこから出て来たのかを察知出来なくなり、間違って受け止めてしまうことが多々あります。
男女間のコミュニケーションを例に挙げてみます。
「男性は解決、女性は共感」というポイントばかりを意識していたとしても。
男性にも「ただ共感さえしてくれればそれでいい」という感情から言葉が出ることも少なくありません。
女性にも「共感なんていらないから、今抱えている問題のきちんとした解決策を知りたい」と、真剣な思いで誰かに話しかけることもあります。
それを敏感に察知出来ないまま、どこで習ったコミュニケーションスキルを使ってしまったら。。。
どんなことになるかは、想像が付きますよね。
素晴らしいテクニックほど、使う場面を間違えると、悲惨な結果を招くだけです。
しかし、今、相手は理論的な解決を求めているのか、ただ共感して欲しいだけなのか、もしくは両方なのか、などと考えていてはコミュニケーションは成り立たないでしょう。
コミュニケーションのブレを防ぐために大切なのは、身体感覚で受けて、身体感覚で返すこと。
これが出来ていてこそ、心理学や脳科学に基いたコミュニケーションスキルが威力を発揮し始めます。
まずは、「頭」「胸」「腹」の中心がどこにあるかを探るようイメージする。
次に、その中心に心地良く風通りの良い“空間”が広がっているところを思い浮かべる。
そして、「腹」の中心が「頭」から下の上半身を支えているとイメージし「胸」の感覚をはっきりさせる。
日々を楽しく過ごすために、周囲の人との心地良いコミュニケーションは欠かせません。
しっかりした身体感覚を身に付けるために、ぜひ参考にしてみて下さい。