聞きたくない話や不快な騒音は、耳を緊張させます。
耳の緊張は身体側面の筋肉のつながりを通じて、つま先まで力が入った状態になってしまいます。
この緊張を和らげるために、耳のストレッチの効果を紹介させていただきました。
もう一つ、耳の緊張には身体の疲れが抜けにくくなる理由が隠されています。
それは、呼吸が浅くなること。
浅い呼吸が続くと人は、深いリラックス状態を得ることが出来ません。
なので、いくら休んでいるつもりでも、きちんと体は休むことが出来ず、慢性的な疲労が続いてしまいます。
耳が緊張すると呼吸が浅くなる理由は、頭の芯を介して呼吸に重要な役割を果たす横隔膜という筋肉を緊張させてしまうから。
頭の芯とは、左右のこめかみの間にある蝶形骨という骨。
横隔膜とは、胸とお腹の間にあるドームのような形をした、人体の中でも最も重要な筋肉。
この蝶形骨と横隔膜は、気道や食道を包む膜を介して繋がっています。
嫌な話や騒音を耳にすると、側頭部の筋肉が緊張して蝶形骨に圧力がかかり、位置にズレが生じます。
そのズレが横隔膜にも悪影響を与えてしまい、呼吸が浅くなってしまうというわけです。
では、耳の緊張をゆるめ呼吸を整える方法を紹介させていただきます。
・まず、座った状態で背筋を伸ばし、耳を横に軽く引っ張って下さい。
・両耳を同時に、心地良い程度の強さで真横に引っ張ります。
・この時、耳と耳の間にピンポン玉程度の空間があるとイメージします。
・あくまでイメージなので、難しく考えないようにしましょう。
・イメージ出来たら、次に呼吸に意識を向けます。
・そして、息を吸うとピンポン玉の空間が広がり、吐くとしぼむというイメージで呼吸を続けましょう。
耳の引っ張りも呼吸もポイントは“心地良く”
しばらく続けていると、鳩尾(みぞおち)の辺りが温かくなり、身体が内側からほぐれてくるのが感じられると思います。
蝶形骨が頭の芯なら、横隔膜は胴体の芯とも表現できます。
芯は一度緊張してしまうと、ゆるめるのは容易ではありません。
この方法は、ゆるめるのが難しい横隔膜を耳を介してリラックスさせるエクササイズです。
日々、色々な情報を耳にしていると、知らず知らずのうちに耳が緊張し呼吸が浅くなってしまうもの。
最近、どうしてもだるさや疲れが抜けないと感じた時。
解消方法の一つとして、取り入れてみることをおすすめします。