安定した精神状態や、ストレスに強い体をつくるには、身体を充実させる必要があります。
身体の充実とは、芯となる部分を強くして、中身を充たすこと。
それには、まず体の深部にある筋肉をイメージ出来るようになることが大切。
前回は、首と頭の付け根にあり、人の姿勢に大きな影響を与える後頭下筋群についてお話しさせていただきました。
今回は、後頭部の筋肉と同様にとても重要な、骨盤の筋肉をイメージする方法をお伝えします。
人の身体の健康に骨盤の状態が関係している、といった話はよく聞くところです。
身体の芯として大きな役割を果たしているのが、骨盤底筋群。
どこにあり、どのような形をしていて、どんな働きをしているのか?
イメージするのは、とても難しい筋肉です。
しかし、この骨盤底筋群の存在のイメージがつかめると、精神も体のバランスも安定した状態に保つことが出来るようになります。
まずは、あまり難しく考ず、何となくイメージしてみましょう。
骨盤の骨の間に張り巡らされた、扇のような形をした筋肉があるとイメージして下さい。
臀部の中央に尾骨があるのはすぐにわかるでしょう。
その尾骨が扇の取っ手。
そこから骨盤の前方、左右にかけて筋肉が広がっているように思い描いて下さい。
座骨結節という左右の臀部にある骨の出っ張り、椅子に座った時に座面に着く二つの出っ張りが扇の両サイドになります。
何となくでかまいません。
骨盤の中に扇のようなイメージが出来たら、その扇が閉じたり開いたりするところを想像してみましょう。
扇が広がるようにイメージは、立っていても座っていても、どちらでも良いので、股関節を曲げて上体と一緒に、骨盤を前に傾けます。
左右の座骨結節の距離が離れ、扇が広がります。
次に、上体を起こしながら、扇が閉じるのをイメージしましょう。
開いた扇が閉じるところを思い浮かべると、自然と上体が起き上がります。
このように、扇をイメージした骨盤底筋群が閉じたり開いたりする様子を、頭の中に浮かべてみて下さい。
筋肉は頭の中で、その存在をイメージするだけで、働きが活性化することが知られています。
体の深いところにあり、なかなかイメージしにくい骨盤底筋群ですが、何となくでも感覚をつかむだけで、姿勢にもかなりの安定感が感じられるものです。
繰り返し何度もイメージを浮かべることで、骨盤底筋群の働きはさらに強化され、身体の安定度もさらに増します。
芯がしっかりしてくると、体の表面にある筋肉の無駄な緊張が抜けるため、リラックスした精神状態も保ちやすくなります。
骨盤の深いところにある筋肉が、扇のように開いたり閉じたりしている。
適当でも良いので、そのイメージが浮かぶように練習してみましょう。
それだけで、心と体の安定感が増すのが感じられるでしょう。