同じ言葉を掛けても、人から好かれる時と、敬遠される時があります。
例えば、家にお客さんが来ていたとしましょう。
お客さんが帰る時間が近付いて来たとします。
そのタイミングで、外は急に曇り始め、雨が降りそうになって来ました。
しかし、お客さんは話が弾んで、帰ろうとしません。
そんな時、
「天気が悪くなりそうだから、雨が降る前に帰った方が良いですよ」
と伝えたとします。
この言葉を、お客さんはどのように受け取るでしょう。
「話に夢中になっていて気付かなかった、教えてくれてありがとう」
と思うかも知れません。
逆に、「せっかく楽しくおしゃべりしてるのに」
などと、あまり良い気分にならないかも知れません。
相手がどのように受け取るかをコントロールすることは不可能です。
しかし、こんな時、人はあなたの言葉に含まれている本心を感じ取るものです。
同じように、「天気が悪くなりそうだから・・・」
と伝えたとしても、その前に心の中ではどのような言葉が発せられているのでしょう。
「もういい加減にして帰ってくれよ」
と思っているのか、
「雨が降り出しそうだと早く教えてあげないと、帰り道でびしょ濡れになったら気の毒」
どちらの気持ちから発せられた言葉なのでしょうか。
全く同じ言葉を人に掛けたとしても、その前にどのような気持ちが隠されているかによって、相手の受け取り方は全く変わって来ます。
本心から相手を気遣っての言葉なのか、自分の都合から発せられたものなのか。
人は言葉だけでコミュニケーションをしているわけではありません。
表情や体の動き、その時の空気感、自分たちを包む全てがコミュニケーションに影響して来ます。
いつも丁寧で親切な言葉を掛けてくれるのに、なぜかあまり印象が良くない人。
言葉遣いも悪く、すぐに乱暴なものの言い方をするのに、どういうわけか好感度が高い人。
あなたの周りにも、そんな人が居るはずです。
言葉には出さなくても、隠された本心というものは、相手には伝わってしまうもの。
もちろん、確実に伝わるわけではなく、誤解を招くこともあるでしょう。
しかし、この点を意識しているかしていないかで、コミュニケーションの方法は、ずいぶんと変わって来るものです。
日々の人との関わりの中で、ぜひ参考にしてみて下さい。