「自分らしく、ありのままに生きたい、そのためにはどうすれば良い?」
そんな悩みの声をよく聞きます。
結論から言えば、そんな方法は無い、ということになると思います。
自分らしくありのままとは、言葉を換えれば、自分勝手、周りを気にしない、我慢しない、ということ。
人間社会の中でそれが許されるのは、赤ん坊だけ。
大人になってからは、そのような生き方はまず不可能です。
なのに、なぜ多くの人は、そこで悩むのでしょう。
悩んでいる人の多くは“なるがまま”に生きている人達です。
“ありのまま”と“なるがまま”
似ているようですが、これらは全く正反対。
なるがままとは、常に自分を周囲の環境や他人に合わせてしまう状態。
自分を押し殺し、悪く言えば他人任せで生きること。
いつも、本来の自分を抑え、周囲の人たちに気を遣いながら生きているため、本当の自分がわからなくなる。
そのため、本来の自分らしく、ありのままで生きたい、という欲求が強くなってしまいます。
日本人には特に、このような人が多いようです。
しかし、ありのままに生きたい、なんて悩みは持っていない人も少なくありません。
そんな人たちは、なるがままに生きる時は徹底的に、自分を抑えて周囲の環境に身を任せて来た期間がある人達。
つまりは、修行を積んで来た人達。
ある会社に就職したら、自分のやりたいことや、自分らしさなどは一切主張せず、ただ会社のためだけに献身的に生きてきた人。
徹底的になるがままに生きて来た人は、様々な仕事の型を身に付けることになります。
出来る事が増えて来ると、いつしか会社にとって、なくてはならない存在となります。
この人が居なければ、会社全体が困ることになる。
そこまでの存在になってから初めて、自分らしさや、自分の考えを主張する。
居なくては困る存在の人の話なら、会社も聞かないわけにはいきません。
ありのままの自分で生きやすくなるということです。
また、会社を辞めても身に付けた仕事の型は残ります。
それらを武器に、自分の人生は自分で切り開いていく。
こんな人も、ありのままに生きたい、なんてことではあまり悩まないでしょう。
ありのまま、なるがまま、どちらの生き方にもメリットとデメリットがあります。
ありのままに生きるということは、何をやっても良い代わりに、全ては自己責任。
あらゆるリスクも負わなければなりません。
なるがままに生きるということは、自分の思い通りにならないことが多い代わりに、いつも誰かに守られています。
会社の事業が失敗したからといって、借金を背負わされることもありません。
両者の折り合いを付けながら、バランス良く中間で生きる。
もしくは、ある一定の期間、なるがままに徹底して、タイミングを見計らって、ありのままの生き方に変化する。
その、どちらかしか選択肢はありません。
一度、どちらかを選択したら、あとは悩まずにその生き方を貫き通すだけ。
これが、悩みを減らす一つの考え方です。