大切な場面や人前に出ると、どうしてもあがってしまう。
声は震え、膝はがくがくする。
こんな経験、誰にでもあると思います。
そもそも、「あがる」とは、何を意味しているのでしょう?
これは、“息”が上がってしまう、ということ。
人は緊張すると、呼吸に関わる筋肉の収縮が強くなります。
鳩尾(みぞおち)あたりが特に強く収縮するため、息はそれより下へ降りることは出来ません。
だから、息が浅くなり、あがってしまうのです。
息が上がると、早くて激しく不規則な呼吸になります。
呼吸は人の心身の状態に深く関与しているため、息が早く激しくなると、行動も早くて激しくなります。
そうなると、冷静に物事を考えることは出来ません。
とっさに体が動いてしまう。
思わぬことを口走ってしまう。
など、とんでもない失敗をやらかしてしまいがち。
なので、大切な場面で“あがり”を防ぐコツとしては、まずは呼吸を意識すること。
息を大きく吸い込んで、ゆっくりと時間をかけて吐き出す。
深い呼吸を意識するだけでも、あがりはかなり和らぐでしょう。
ですが、あがり症がひどい人は、深呼吸をしただけではあまり効果が感じられないケースも多々あります。
そんな時は、深い呼吸と併せて、この動作を行ってみて下さい。
“手首をブラブラさせる”
ゆっくり大きく呼吸しても、緊張から解放されないという人は、しっかり深呼吸が出来ていない可能性があります。
自分では大きく深く息を吸っているつもりでも、胸の緊張が強いと深呼吸になりません。
浅いままの呼吸を繰り返しているだけなので、息は上がったままで、“あがり”も解消されない。
ならば、胸の緊張を緩めることが大切です。
人の体は筋膜という組織に包まれていて、一つに繋がっています。
手首をブラブラさせると、腕の緊張が緩み、その影響から胸の緊張も和らいで来るというわけです。
・深くゆったりとした深呼吸をする。
・手首をブラブラさせる。
大切な場面や人前での緊張を防ぐコツは、この二つです。
なぜ、この二つの方法が効果的なのかお話しさせていただきましたが、いざ緊張する場面に直面した時は、理由はあまり考えない方が良いでしょう。
余計な思考は緊張を強め、さらにあがりやすくなってしまいます。
ただ、呼吸に意識を向け、手首をブラブラさせる。
それだけで、ずいぶんリラックス出来て、あがりは防げるでしょう。
慣れない環境や、新しい仕事に挑戦する時などに、ぜひ参考にしてみて下さい。