健晃堂

二兎を追わねば一兎も得られず

人が目的を成し遂げるためには、一点集中して取り組む姿勢が大切です。

仕事、家庭、趣味、友達付き合いなど、全てを同時に充実させたいと願っても、それは無理というもの。

何かを手にれるためには、何かを手放さなければならない。

二兎を追う者は一兎も得ずのことわざ通り、結局は全てが中途半端になり、何も手に入れられないでしょう。

やるべきことが明確にあるなら、とにかく一点集中。

腹を据えて全力で取り組まなければなりません。

ところが……

覚悟を決め、遊びも人付き合いも完全にきっぱりとやめて、目標に向かって全てのエネルギーを注ぎ込んではみたものの。

全く何も進展しない。

完全に頭がフリーズして行動も止まってしまう。

あっという間にエネルギーも枯れ果ててしまった……

一念発起して何かを始めようとした途端に、こんな状況に陥ってしまった経験はありませんか?

一点集中が大切とは言っても、人の脳は機械ではありません。

パソコンやスマホですら、長時間使い続けたら使い勝手が悪くなります。

疲れたら休息を取り、エネルギーを回復させるための環境が大切。

また、人は何かに集中していると徐々に視野が狭くなり、脳の同じ部位しか働かないようになります。

そのため、考えがまとまらなくなります。

集中したいと思えば思うほど、逆に思考がブレて全く関係の無い行動に走ってしまいがち。

学生時代、テスト前に集中して勉強しなければならない時に限って、いつもはしない部屋の掃除に夢中になってしまった、などの経験は誰にでもあるのでは?

人が一点集中を続けるためには、常に脳の様々な場所を働かせなければなりません。

目指す目的とは、また別の思考が必要です。

それは、大切な恋人の存在、趣味、スポーツ、何でも良いでしょう。

最初と話が違うじゃないか!!

などと言われそうですが、間違ってはいません。

一点集中が必要とは、

“一つの目的を達成するためには、行動も一つに絞る”

ということです。

例えば、プロのスポーツ選手になるという目標があったとします。

そんな人が、野球とサッカーに同時に取り組んだらどうなるでしょう?

両方とも中途半端になってしまうことは、簡単に想像出来るでしょう。

同じように、お金を稼ぐことを目的として様々なビジネスに手を出すと、結果は全て失敗するだけ。

どんな仕事でも、お客様はプロでは無い人に対して、お金は払いませんから。

しかし、全く違う目的であれば、いくつかの活動に同時に取り組んだ方が、人は集中力を発揮出来るようになっています。

仕事はお金を稼ぐため、一つに集中する。

趣味は楽しむことに集中する。

恋人と過ごす時間は、安心や幸せを感じることに集中する。

社会活動は、世の中のため自分の使命を果たす活動に一点集中。

これらは全て、同時進行で取り組むことが出来るものです。

むしろ同時に追いかけた方が、人は行動が止まりません。

イメージとしては、脳のどこかが休んでいる時には、代わりに別の場所が働いてくれているので、常に頭が回転し、高い集中力をキープ出来るという感じでしょうか。

会社員をしながら起業する人なども、両方とも収入を得ることが目的では、高い確率で失敗します。

本業は生活を安定させるため、副業は自己実現や幸せのため、など目的が違えば、相乗効果でどちらも充実したものになるでしょう。

覚悟を決めて一つのことに取り組んでみたにもかかわらず失敗する人は、生きるための目的まで一つに絞り込んでしまう人。

目的ごとに行動を一つに絞り込み、それぞれに一点集中することが、大きな目的を達成するためのコツ。

同じ目的のために二兎を追えば一兎も得られませんが、“経済的な成功”と“心の幸せ”などは、同時に求めなければ、結局どちらも手に入りません。

二兎を追わなければ一兎も得られないでしょう。

一つの目的に向かって全力投球してきたはずなのに、結局は何も出来なかった。

それは、思っている以上に、効率の悪い頭の使い方になっているためかも知れません。

もし、今年がそのような年だったと感じたら。

来年に向けて、行動パターンを振り返ってみてはいかがでしょう。

参考にしていただけると幸いです。

15.12.26

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