人が動けなくなるストレスの正体は4つ。
精神的ストレス、構造的ストレス、科学的ストレス、温度・湿度の変化によるストレス。
これらのストレスの合計がある一定の値を超えると、心身のバランスが崩れてしまいます。
今回は、4つのストレスのうちの科学的ストレスについて、お話しさせていただきます。
科学的ストレスとは、人体に有毒な排気ガスやタバコの煙、カフェインやトウガラシなどの刺激物の摂り過ぎ、バランスの悪い食生活による栄養素の偏りなどが挙げられます。
様々な要素がありますが、行動力や思考力の低下を防ぐために、最も気を付けなければならない点があります。
それは、
“空腹時に甘い物を食べないこと”
人の行動力や思考力のエネルギー源となるのは、血液中の糖分。
全身を流れる血液中の糖分の濃度が低下することを低血糖症といいます。
低血糖症になるとエネルギー不足により、だるさや疲労感に襲われ、行動力も思考力も低下してしまいます。
間食に砂糖の入った甘い物を食べる習慣は、血糖値を下げ、人のエネルギーを低下させてしまうのです。
なぜ?
砂糖の入った甘い物を食べると、血液中の糖分の濃度は上がるのでは?
・・・・・・?
普通に考えれば、そんなイメージですよね。
ところが、人の体の仕組みはそう単純ではないのです。
ここは重要なところなので、説明させていただきます。
まず、人間の体は血糖値が下がると、脳が空腹を感じるようになっています。
その時に砂糖の入った甘い物を食べると、急激に血糖値が上がります。
人体は血糖値が上がると、インシュリンというホルモンが分泌されるようになっています。
このホルモンは、血糖値を下げるホルモン。
空腹時に甘い物を食べ、急激に血糖値が上がると体が慌てて、インシュリンが大量に分泌されます。
結果、必要以上に血糖値を下げてしまうのです。
そうして人は低血糖症になり、強い疲労感、極度のだるさ、めまい、頭痛、集中力の低下、動悸がする、理由も無く不安になる、イライラする、などの症状に襲われます。
頭を使いながらのパソコン作業などは意外に疲れるもの。
休憩中に、つい甘い物に手を出してしまいがち。
一時的にはエネルギー補給になったような気がします。
ですが、しばらくすると急に眠くなり、集中力も完全に途切れ、何も出来なくなってしまった。
こんな経験ありませんか?
それこそ、この血糖値とインシュリンのメカニズムによるもの。
そして、この血糖値の急激な変化が、実はかなりの疲労の蓄積になってしまうのです。
人には、ホメオスタシスという肉体的にも精神的にも安定した一定の状態を保とうとする働きがあります。
この機能を担っているのが自律神経。
空腹を感じると甘い物を食べ、急激に血糖値が上がり、大量にインシュリンンが分泌され、一気に血糖値が下がり、エネルギー不足になり動けなくなる。
こんな事を繰り返していては、自律神経に大きな負担を掛け、心と体の健康のバランスがいつか破綻してしまいます。
特別な理由も無く、気分がドン底に落ち込んでしまったら。
空腹時の甘い物を我慢するだけで、自然と元気が戻るケースは少なくありません。
ストレスに強く安定した状態を保てる人には、あまり間食の習慣がありません。
気分にムラがある人ほど、お腹が減ると甘い物を食べる傾向が強くあるようです。
行動力や思考力の低下を防ぐためには、空腹時に甘い物を食べないようにすることが大切。
どうしても甘い物が欲しい時は、食後に少しだけにしておきましょう。
普通の食事の後であれば、血糖値も急激にでは無くゆっくりと上がるので、インシュリンの分泌もゆっくりで、低血糖症にはなりません。
甘い物には依存性があり、空腹時の間食の習慣を絶つのは、なかなか難しいでしょう。
しかし、安定した行動力と思考力を保つには、糖分の取り過ぎを防ぐことは必須です。
甘い物を食べることにより、自分の体に何が起こっているのか?
空腹時に甘い物が食べたくなったら、それをイメージしてみましょう。
意識しながら日々を過ごすことをおすすめします。